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J2190 菩提心集 珍海 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J15_0509A01: つの眉三日月のごとくにして左り右りに相わかれた
J15_0509A02: り。眼きよくして半靑く周は白くして界あざやかな
J15_0509A03: り。めぐりに靑き睫ととのひめぐれり。鼻脩く高く
J15_0509A04: して男の好き貌を具ふ。赤き脣上下相かなひて。髭
J15_0509A05: かへる子の狀なり。耳のめぐり美しく鮮かに。面ま
J15_0509A06: とかに秋の月に似たり。頸の胸につづき。肩の頸に
J15_0509A07: かなへるさま。肘腕のつづき。指の端まで延びやか
J15_0509A08: にまします事を見よ。其印相は世に作れるに准へよ。
J15_0509A09: 又その胸腹腰䏶膝脛踝足のひらのつづき相うけて居
J15_0509A10: ずまゐ足をくましめよ。まづ左を置き後に右を置た
J15_0509A11: るかたちなり。二つの跗あらはに見えて千輻輪の文
J15_0509A12: あざやかなり。肩に掛れる袈裟胸にめぐり。腹にまと
J15_0509A13: ひて腰にめぐり。膝におほへるさま。衣文うるはし
J15_0509A14: く整へり。下に著給へる裳のすそ。足のくびよりな
J15_0509A15: がれて蓮の花に垂たり。めぐれる光り頂にあり。身
J15_0509A16: の上の光りあまねく圓なり。顯なる相好かくのごと
J15_0509A17: くこれをいふ。これらの容を見をはらば但まづ眉間
J15_0509B18: 白毫に心をかけて明かにせよ。其毛一筋長さ一丈五
J15_0509B19: 尺。端を取りて引延れば。直にうるはしくして中に
J15_0509B20: 穴あき虚なり。ゆるせばまくり縮りて玉の如くにて
J15_0509B21: 眉の間にあり。周り三寸なり。其毛白くして雪のご
J15_0509B22: とし。たをやかにして右に旋れり。内に光りを包み
J15_0509B23: て外に流し照す。此白毫を見つれば殘の相好は易く
J15_0509B24: をのづから見る事を得といへり。心に相好を想へば
J15_0509B25: この心すなはち相好なり。法身の佛こころに入りま
J15_0509B26: しまして心ほとけに成りぬ。火とり玉の日の影をう
J15_0509B27: つせば。すなはち火を出すがごとし。これら皆經の
J15_0509B28: 意なり。問心の眼とはいかにいふ事ぞや。眼は面に
J15_0509B29: あり。心は形なき者をや。答經に心眼をして見る事を
J15_0509B30: 得せしめよといふ。然れば經のままにいふなり。し
J15_0509B31: かもこれ智惠にて明かに見るをいふにはあらず。心
J15_0509B32: にいたく想へば文の如くに見ゆ。夢は心の眼にてあ
J15_0509B33: るなり。しかれば心をしづむれば心眼を開く。これ
J15_0509B34: 智惠に離れねども。ありさま少し但智惠には異なり

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