浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0504A01: | 問この世の人は何なる行をしてか生死を速かにはな |
J15_0504A02: | るべき。答大乘經の中に速かに生死を離るる事おほ |
J15_0504A03: | く見えたり。しかも此世に於て最いたれる要を取ら |
J15_0504A04: | ば念佛の門に入るべし。法照禪師といふ人淸凉山に |
J15_0504A05: | 登りて大聖竹林寺といふ寺の門口に到れり。常の人 |
J15_0504A06: | になべて見ゆる處にあらず。そこに二りの童子出で |
J15_0504A07: | 來れり。一りは善財と名のり。一りは難陀と名のる。 |
J15_0504A08: | 其二りの童法照を道引て寺の内へ入れつ。徐く講堂 |
J15_0504A09: | にまいり臨みて見れば。普賢菩薩無數の眷屬に圍繞 |
J15_0504A10: | せられておはしまし。文殊師利一萬の菩薩にうやま |
J15_0504A11: | はれておはします。法照恭み敬ひて文殊に問奉る。代 |
J15_0504A12: | の末の人は何なる行ひを專にすべきと。文殊の曰末 |
J15_0504A13: | 世の衆生は唯念佛を專にすべし。謂く西方の阿彌陀 |
J15_0504A14: | を念じ奉れとのたまへり。今のことに隨ふべし。 |
J15_0504A15: | 問此世の人は念佛ばかりにて經を讀み布施を行ずべ |
J15_0504A16: | からずや答念佛をもはらにせよといは。念佛をむね |
J15_0504A17: | として異行をはこれによせよとなり。帝の幸といふ |
J15_0504B18: | に百官みな從ふが如し。念佛を君として經をよみて |
J15_0504B19: | も念佛を進め助け。布施持戒をも念佛の道に入れよ |
J15_0504B20: | と也。 |
J15_0504B21: | 問何かやうにか念佛をばすべき。答知べし念といは |
J15_0504B22: | 思ふ也おもひ意にあり。然も思ひをなすに由あるべ |
J15_0504B23: | し。廣くこれをいはん。或は身に禮拜をなす。謂く |
J15_0504B24: | 西にむかいて遙かに拜み若は彌陀の形像にちかづき |
J15_0504B25: | てぬかづく。或は口に御名を稱へて功德利益を嘆め |
J15_0504B26: | 奉る。此身口の業をも念佛にかぞふ。念より起るが |
J15_0504B27: | 故に。念を起したすくるが故に。念と同じく往生の |
J15_0504B28: | 業にそなはれば念佛といふ。然も心に色相光明を念 |
J15_0504B29: | じ。本願大悲を念じ。或は唯御名をおもひ。或はお |
J15_0504B30: | ほよすに隨ひ仰ぐ。又菩薩聲聞の大衆を稱念し。宮 |
J15_0504B31: | 殿寳池の莊嚴を讚歎する皆念佛の内也。又經を讀て |
J15_0504B32: | も布施を行じても。功德善根は皆往生淨土の因縁と |
J15_0504B33: | 思へば淨土を念ずる也。淨土を念ずるは彌陀を念ず |
J15_0504B34: | る也。況や佛に法身の功德あり。經法はすなはち是 |