浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J15_0505A01: | なり。佛に所作の利益あり。説法敎化これなり。こ |
J15_0505A02: | れを念佛といふ。皆往生の業因也。故に淨影大師の |
J15_0505A03: | 曰或は念じ或は禮し。或は讃め奉り或は其名を稱す |
J15_0505A04: | る者悉く往生することを得と。 |
J15_0505A05: | 問禮拜のありさま委しく承らん答五體を地にいた |
J15_0505A06: | す。謂く二の手二の膝及び頭これなり。ぬかとは額 |
J15_0505A07: | の名なり。額を地にあつればぬかづくといふ。數は |
J15_0505A08: | いくつと定まらず。されども龍樹の禮によらば十二 |
J15_0505A09: | を數とすべし。或はひざまづきて掌を合せ。或は居 |
J15_0505A10: | ながら手をつかね。或は立ながら片手を擧る皆拜む |
J15_0505A11: | うちなり。むかし耆婆大臣天に生れて後。とふ車に |
J15_0505A12: | 乘りて行に路に目連尊者おはし逢ひたりしに。車に |
J15_0505A13: | 乘ながら片手を捧げたりき。これを下品の禮といふ。 |
J15_0505A14: | 法華經に乃至擧一手といふは是なり。念佛の人はい |
J15_0505A15: | かにも心を專にすべし。又口に稽首といひ頂禮とい |
J15_0505A16: | はんも口業なれ共亦禮拜に入りぬ。又心に禮拜と思 |
J15_0505A17: | へば禮拜をそなふ。又數珠をめぐらし。舌の端を動か |
J15_0505B18: | すも身業の禮拜におさむべし。異事をもこれに准へ |
J15_0505B19: | てよく意得べし。 |
J15_0505B20: | 問口業の稱讃また細しくうけたまはらん 答南無大 |
J15_0505B21: | 悲阿彌陀佛とも南無阿彌陀佛とも大悲阿彌陀佛とも |
J15_0505B22: | 阿彌陀佛ともまうす。これを稱名といふ。南無とは歸 |
J15_0505B23: | 命する心なり。多の義をこめたれど大旨歸命なり。歸 |
J15_0505B24: | 命とはわが身を彌陀に寄せ放ちつるなり。阿彌陀と |
J15_0505B25: | は無量なり。佛は覺なり。しかれば經には無量覺と |
J15_0505B26: | もいへり。無量とは光明も壽命も無量なればこめて |
J15_0505B27: | 無量といふなり。いそぎていへばなまみだぶといは |
J15_0505B28: | る。はやくいへば聞なさるるぞと思ひしか共。うるは |
J15_0505B29: | しき詞もかくうつる事ありけり。文字かへすとてか |
J15_0505B30: | く囀りなすことあり。それも本の言をうしなはずた |
J15_0505B31: | がふ事なし。南無阿といふ程に毛阿の二文字はやく |
J15_0505B32: | て摩のこゑになる。佛のことばいひはてられずして |
J15_0505B33: | 初のこゑにてやむなり。あまりにはやくいへば彌は |
J15_0505B34: | 又牟のこゑに囀らる。上みに南摩といひつれば彌の |