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J1430 吉水大師小消息諺解 貞極 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0841A01: せさるに二といふは一には罪を造る時乘せす其故は
J09_0841A02: かくのごとく罪を造れは念佛申とも往生不定なり
J09_0841A03: と思ふ時に乘せす二には道心の發る時乘せす其故は
J09_0841A04: 同く念佛申ともかくのごとく道心ありて申さんする
J09_0841A05: 念佛にてこそ往生はせんずれ無道心にては念佛す
J09_0841A06: ともかなふへからすと道心を先として本願を次に思
J09_0841A07: ふ時乘せさるなり次に本願に乘するに二の樣と云ふ
J09_0841A08: は一には罪造る時乘するなり其故はかくのごとく罪
J09_0841A09: を造れは決定して地獄に落つへし然るに本願の名號
J09_0841A10: を唱ふれは決定往生せむ事の嬉さよと喜ふ時に乘す
J09_0841A11: る也二には道心發る時乘するなり其故は此道心にて
J09_0841A12: 往生すへからすこの程の道心は無始以來發れとも未
J09_0841A13: た生死を離れす故に道心の有無を論せす造罪の輕
J09_0841A14: 重を云はす唯本願の稱名を念念相續せん力により
J09_0841A15: てそ往生は遂くべきと思ふ時に他力本願に乘する
J09_0841A16: なり
J09_0841A17: うけかたき人身をうけてあひかたき本願にあひ
J09_0841B18: ておこしかたき道心を發してはなれかたき輪迴
J09_0841B19: の里をはなれて生れかたき淨土に往生せん事は
J09_0841B20: 悅の中の悅なり
J09_0841B21: 第五明求道難中自六 一にうけかたき等とは涅槃
J09_0841B22: 北本二十三之四丁に六の値遇し難き事を擧ぐる中の第五に云
J09_0841B23: はく難得人身寳積經九十六之初丁に云はく人身難得
J09_0841B24: 優婆塞戒經六之初丁に云はく人身難得往生要集上本四十八丁
J09_0841B25: に云はく無量生死中得人身甚難法苑珠林六十五之二十三丁
J09_0841B26: に雜阿含を引きて云はく爾の時世尊爪甲に土を擎け
J09_0841B27: 諸比丘に告け給はく意に於て云何我爪上の土を多と
J09_0841B28: せんや大地の土を多とせんや諸比丘佛に白して言は
J09_0841B29: く世尊爪上の土は甚だ少なく大地の土は至つて多
J09_0841B30: 乃至數を算し比となすへからすと世尊諸比丘に告け
J09_0841B31: 給はく人道を得る者は爪上の土の如く非人に墮する
J09_0841B32: 者は大地の土の如し大論二十八之十二同此説と如是得難き人身を
J09_0841B33: 得るを云ふ二にあひかたき等とは釋に云はく今逢
J09_0841B34: 釋迦佛末法之遺跡彌陀本誓願又云はく遇聞希有

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