浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0839A01: | にありて綱を下して此綱にとりつかせて我れ岸の上 |
J09_0839A02: | にひき登せんと云はんに引く人の力を疑ひ綱の弱か |
J09_0839A03: | らん事を危みて手を收めて之をとらすは更に岸の上 |
J09_0839A04: | に登るへからす偏に其言に隨ひて手をのべて之をと |
J09_0839A05: | らむには乃ち登る事を得へし佛力を疑ひ願力を賴 |
J09_0839A06: | まさる人は菩提の岸に登る事難し唯信心の手をの |
J09_0839A07: | べて誓願の綱をとるへし唯信鈔三界火宅の事法華譬喩 |
J09_0839A08: | 品に出つ三界難止を人の宅の四面に一時に火出てた |
J09_0839A09: | るに喩ふ |
J09_0839A10: | 十方に淨土多けれと西方を願は十惡五逆の衆生 |
J09_0839A11: | の生るる故なり諸佛の中に彌陀に歸し奉るは三 |
J09_0839A12: | 念五念に至るまてみつから來迎し給ふ故なり |
J09_0839A13: | 第三選身土精中二 初述淨土精妙觀經に云はく |
J09_0839A14: | 世尊韋提希夫人のために眉間の光を放つて十方の淨 |
J09_0839A15: | 土を照し所有淨土を其中に現して佛の威神力を以て |
J09_0839A16: | 韋提に加備して皆悉く之を見せしめ給ふ夫人佛に白 |
J09_0839A17: | して言はく十方の佛國並に淸淨なれとも我今安樂國 |
J09_0839B18: | に生せん事を樂ふ畧抄九方の淨土を捨てて獨り西方を |
J09_0839B19: | 選ひ求むる事云何なる故となれは九方の淨土には智 |
J09_0839B20: | 惠も勝ぐれ修行も積みたる善人のみ生れ西方淨土 |
J09_0839B21: | には極重の惡人僅に一念十念の行を以て報土高妙の |
J09_0839B22: | 地に往生する並ひなき超世の譽を擧けて釋尊四十餘 |
J09_0839B23: | 年の説法のたびごとに之を讃歎し勸奬し給ひしによ |
J09_0839B24: | る十疑論に云く釋迦大師一代聖敎處處説法唯勸生專 |
J09_0839B25: | 心偏念彌陀佛文弘決に云く諸經所讃多在彌陀等文さ |
J09_0839B26: | れは西方の淨土は三世諸佛にも捨てられ九方の淨土 |
J09_0839B27: | にも入れられぬ者の而も罪を造り惡を起す事はあら |
J09_0839B28: | き風よりも劇しく駃雨よりも繁くして定めて惡道に |
J09_0839B29: | 墮ちんとするを哀しみ憐れみ之を救はんがために五 |
J09_0839B30: | 劫に思惟を極め兆載に其土を莊嚴し給ふ次顯佛身 |
J09_0839B31: | 精妙意の云く十方三世の佛皆衆生無邊誓願度と願 |
J09_0839B32: | しすべて衆生利益を本とし給ふ中に於て當今の凡夫 |
J09_0839B33: | 諸佛を捨て獨り阿彌陀佛に歸命し奉るは彼の諸佛に |
J09_0839B34: | は稱我名號の者を迎へんとの願なし彌陀如來には十 |