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J1430 吉水大師小消息諺解 貞極 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0838A01: 信して少罪をも犯さじと思へし罪人なほ生る况や善
J09_0838A02: 人をや
J09_0838A03: 時くだれりとても疑へからず法滅以後の衆生な
J09_0838A04: ほもて往生すへし况や近來をや
J09_0838A05: 三釋時下疑 時くだれり等とは釋迦如來の正法像
J09_0838A06: 法の時代は過き已つて末法の時に下りたれは我等か
J09_0838A07: 往生は如何ならんと疑ふへからす彌陀の本願は濁世
J09_0838A08: 末代の要法なれは也法滅已後の衆生等とは末法萬
J09_0838A09: 年の後の一百歳をも彌陀敎止住の時たり天台慈恩道
J09_0838A10: 綽善導の諸師皆此説によれり十疑論云末世法滅時特
J09_0838A11: 留此經百年住世接引衆生往生彼國故知彌陀
J09_0838A12: 與此世界極惡衆生偏有因縁西方要決云末法
J09_0838A13: 餘經悉滅彌陀一敎利物偏增安樂集云末法一萬年衆
J09_0838A14: 生咸盡諸經悉滅如來悲哀痛燒衆生獨留此經止住
J09_0838A15: 百年往生禮讃云萬年三寳滅此經住百年爾時聞一
J09_0838A16: 念皆當得生彼是等の釋皆法滅以後百歳の衆生
J09_0838A17: さへ往生することを明す况や三寳現在今日の衆生を
J09_0838B18: や實澄の歌に住み馴れし宿をば花にうかれ來てくる
J09_0838B19: るも知らぬ春の旅人
J09_0838B20: 我身わろしとても疑へからす自身はこれ煩惱具
J09_0838B21: 足せる凡夫なりとの給へり
J09_0838B22: 四釋身惡疑 我身等とはかかる惡業深き身は其罪
J09_0838B23: に適當程功德をも多く勤め得たらんには尤もなるに
J09_0838B24: 僅に一念十念にて往生せん事如何に本願いみじくと
J09_0838B25: もかたかるへしと疑ふべからず自身等とは禮讃の序
J09_0838B26: に深心を釋して信知自身是具足煩惱凡夫善根薄
J09_0838B27: 少流轉三界不出火宅と云へる文を指せり煩惱
J09_0838B28: とは法界次第に煩以喧煩爲義惱以逼亂爲義と
J09_0838B29: 云へり即ち人の心神を喧しく煩はし責め亂す意也十の
J09_0838B30: 大煩惱あれとも中に於て貪瞋等のみそれか根本也如是諸の煩惱を遺りなく具し備
J09_0838B31: へたる身なれども彼の本願力に乘ずれは一聲も漏さ
J09_0838B32: す定めて往生を得而るを空しく身を卑下し心を怯
J09_0838B33: 弱にして佛智不思議智を疑ふ事なかれ例へは人高き
J09_0838B34: 岸の下にありて登る事能はざらむに力強き人岸の上

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