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J1430 吉水大師小消息諺解 貞極 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0837A01: を云へは邊際ある事なし無際の功力を以て有邊の罪
J09_0837A02: 障を滅す是の故に罪障も障りとならず往生し得へき
J09_0837A03: 略論取意玉葉集には眞如堂に詣て超世の悲願の賴もし
J09_0837A04: き事を思ひながら我身の業障の重き事を恐れ思ひて
J09_0837A05: まどろみて侍りける夢にけだかき御聲にて告げさせ
J09_0837A06: 給ひけるとなん
J09_0837A07: 彌陀たのむ人は雨夜の月なれや
J09_0837A08: 雲晴れねとも西にこそゆけ
J09_0837A09: と云へりさればとて罪を恐るるは本願を疑ふなど云
J09_0837A10: ふ僻見をは起すまじき也上人の給はく行は一念十念
J09_0837A11: 空しからずと信して無間に修すへし一念なを生る況
J09_0837A12: や多念をや經には信心歡喜乃至一念と説き讃には下
J09_0837A13: 至十聲乃至一聲一念必得往生と云へり無容疑心
J09_0837A14: 罪人なりとても疑へからす罪根ふかきをもきら
J09_0837A15: はじとの給へり
J09_0837A16: 二釋罪重疑 罪とは身と口とに起す所の惡業の名
J09_0837A17: 也人謂へらくいかに本願の不思議なれはとて我等如
J09_0837B18: き罪深き身は云何とあやぶみ恐れんされば法照禪師
J09_0837B19: 唐代の高僧にして蓮社七祖の中の第四祖なり文殊の口授を禀けて一心に念佛
J09_0837B20: し又五會の念佛を勸め五會法事讃を著し給ふ其中
J09_0837B21: に云彼佛因中立弘誓此弘誓者別指十八九之願也聞名念我總迎來
J09_0837B22: 此二句者總句也不簡貧窮將富貴無財曰貧鱞寡孤獨曰窮位尊曰貴財足曰富不簡
J09_0837B23: 下智與高才淨影云才德過人曰高才不簡多聞持淨戒廣聞知佛法曰多聞
J09_0837B24: 嚴讓持戒律曰淨戒不簡破戒罪根深智旭云身口所起惡業名罪意地造業本名根長時積集名深
J09_0837B25: 但使迴心多念佛願行具足能令瓧礫變成金大論云能變瓧石皆使爲金
J09_0837B26: 總意に云ふ持戒破戒はとてもかくても機のよしあし
J09_0837B27: はさらにも云はす但往生の志にて南無阿彌陀佛と申
J09_0837B28: さんのみ本願には叶ふへしと云へり三世の諸佛何れ
J09_0837B29: も多聞淨戒をほめ破戒罪根を捨て給ふ故久しく流
J09_0837B30: 轉の孤兒となれり然るを彌陀の本願にも此者を選び
J09_0837B31: 捨て給はばかかる身には往生の思ひ絶えたるへきに
J09_0837B32: 此釋の如く多聞持戒の善人も下智破戒の罪人も同し
J09_0837B33: 詞に云ひなし給ふぞ特に尊く本願の人を簡はざるこ
J09_0837B34: そあり難し上人の給はく罪は十惡五逆の者も生すと

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