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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0821A01: きて若しさる事あらはいかか申上候へき難答の詞
J09_0821A02: 假令の樣を假名眞名にくはしく註し給へき旨飛脚を
J09_0821A03: 以て上人に申入れたりけれは其の時の上人の御返事
J09_0821A04: なり御傳二十八卷八丁扨此の狀傳文とは具略あり今の錄尤も委
J09_0821A05: し○御文くはしく等とは此の初の三行程は傳文に
J09_0821A06: 無しげにいまだ等と云ふより傳文には載せたり○
J09_0821A07: 三十五丁御京上の時とは建久六年二月將軍家賴朝上洛に供
J09_0821A08: 奉せしときなり○三十六丁又最下のとは傳文には又在家
J09_0821A09: とあり○三十七丁その文はじやうせう房等とは言心は其
J09_0821A10: 文は淨勝房なんとの所持有るへしそれを持參して
J09_0821A11: 將軍家へも披露あるへしと也扨此の所の言は傳文に
J09_0821A12: は畧せり○三十八丁件の人の申候しはとは信中を指すな
J09_0821A13: り○三十九丁早晩とはいつもとよめり言心は兎角さはら
J09_0821A14: ぬ樣にどこへも能合樣にはからひ玉へと也又早晩は
J09_0821A15: 猶言遲速○わさとはるはると人のぼさせ玉ひて
J09_0821A16: 候こそとは自此已下次紙のいかに道理百千萬にわ
J09_0821A17: かつともよも心ゑ候はじと云まては傳文略之此の
J09_0821B18: 間の御詞最も肝要なり○これよりとは元祖の方より
J09_0821B19: なり○眞字假字とは四字かけてまなかなとよむへし
J09_0821B20: 傳文八丁には假名眞名と書けり源氏なとにかんなまん
J09_0821B21: ななど云へり唯是は具に假名文字の事を云也和字と
J09_0821B22: 漢字とを云には非すと但し傳文第卅九二丁を見て可
J09_0821B23: 料簡少違あり又具原篤信か日本釋名中二十七丁具に記せ
J09_0821B24: り見るへし彼か説は眞字は漢字假名は和字と評せり
J09_0821B25: 然れとも日本紀萬葉のかなの如くに眞字にかきたる
J09_0821B26: をばまながなと云ふとなり委くは彼を見るへし○
J09_0821B27: 四十丁殿はとは實朝公の事也○申あひて候へはとは京
J09_0821B28: 都まても沙汰ありて左樣に承ると也○今はなとは
J09_0821B29: なの字は下知の意歟○さらざらん人はとは將軍家
J09_0821B30: を除きて外の人の事也扨上來今の錄と傳文と或は少
J09_0821B31: しき詞の具略或は文字の違ひなとは義に相違無きは
J09_0821B32: 不記之大略せる處は如云上尚ほ翼賛並に隨聞記
J09_0821B33: 見合せて辨せよ○十月十八日とは元久二年乙丑也即
J09_0821B34: 八十三代土御門院の年號也元祖七十三歳の御時也

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