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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0745A01: 晦日の仕舞の如くなれは後を賴む事ならぬ心にて一
J09_0745A02: 念唱ふる也故に平生の業には勝ると云也扨て無間心
J09_0745A03: とは平生は念佛の間に餘事を思ひ雜ゆれとも臨終に
J09_0745A04: は無間心にて唱ふるなり喩へは平生は木綿縞の模樣
J09_0745A05: の如く臨終は無地の如く也然るに臨終の心は昩劣
J09_0745A06: にして平生の心よりも弱きこと糸筯の如しさるを平
J09_0745A07: 生の強きより勝るると云ふ道理不可有云ふときさ
J09_0745A08: れは臨終の糸筯の如き心を平生の強きに對して辨す
J09_0745A09: るには非すよはき内に隨分つよき念をとり立てて云
J09_0745A10: ふこと也糸筯のことき心にて無後心無間心に唱ふる
J09_0745A11: を以て平生の業に勝ると云ふ也喩へは長者の百貫目
J09_0745A12: と貧者の一錢とは實に同し事には非れども出す志
J09_0745A13: の同じ事也彼の貧女の一燈富者の萬燈と云ふか如し
J09_0745A14: 萬燈と一燈と同し事には非れとも志の勝れたるを云
J09_0745A15: 也功德の方にて云ふには非す總して業は志より結す
J09_0745A16: る者なれはなり○平生の時てらしはじめてとは聖光
J09_0745A17: 上人筑後國厨寺におひて一千日如法念佛を修し玉ふ
J09_0745B18: に其道塲を光明常に照し玉ふ事も思合すへき也御傳四十
J09_0745B19: 六卷之八丁○十一丁ほとけの本願にとづかはとはとづくとは
J09_0745B20: 叶ふ事を云也○智者も愚者も等とはいかなる智者
J09_0745B21: なれはとて凡夫妄想分別の有漏智なり何なる持戒な
J09_0745B22: れはとて煩惱具足の凡夫の持戒也されは持戒も破戒
J09_0745B23: も智者も愚者も凡夫の外の外へは出てぬ也或人元祖
J09_0745B24: の御念佛は念念ことに佛の御心に叶ひ候らんと申し
J09_0745B25: けれは元祖のいかなれはさ申すと返し問ひ玉ひけれ
J09_0745B26: は智者にておはしませは名號の功德をもくはしくし
J09_0745B27: ろしめし本願の樣をもあきらかに御心得あるゆへに
J09_0745B28: と申しけれは元祖ねんころに御敎誡あり御傳二十一卷十丁見へ
J09_0745B29: し○そしり謗せんともからもとは華嚴經偈唐經入法界品疏抄七十
J09_0745B30: 五之三十丁云若有見菩薩修行種種行起善不善心菩
J09_0745B31: 薩皆攝取と惠心引此文當知生謗亦是結縁なり
J09_0745B32: と云へり要集下末四十二丁十二丁あなかしこあなかしことは穴賢の字
J09_0745B33: 也書札の末に恐惶とかくに同しことにておそれつつ
J09_0745B34: しむ事也日本紀に可畏の字をかしこしと訓せり然れ

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