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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0735A01: 別願不共の故なれは也○五十六丁經論を信せさるにはあ
J09_0735A02: らすとは凡そ一切の經論は一切衆生を濟ふ如來一代
J09_0735A03: の敎文也故に信する也○さらになんちか破をうけず
J09_0735A04: とは所引の經論の文は信すと云へとも其方の破をは
J09_0735A05: 不受喩へは古人の耆婆扁鵲かそれそれに藥方を拵
J09_0735A06: へ置く其藥は皆惡しきには非す爾れとも醫師の見
J09_0735A07: 立てに依りて藥か違へは藥還つて毒と成る也藥は一
J09_0735A08: 切經の如しそれそれの機根に應して生死流轉を愈す
J09_0735A09: 維摩楞嚴の大機根の菩薩に相應する藥を凡夫に與れ
J09_0735A10: は還つて大毒と成つて三惡道の果を招く也○時も別
J09_0735A11: にとは聖道の敎は其の敎に相應する時を見て佛此土
J09_0735A12: 入聖の敎を説くなり淨土敎は此の敎凡夫の機根熟し
J09_0735A13: て可受時を見て淨土の敎を説き玉ふ故に云時別
J09_0735A14: 總して經の始に一時と云ふは淨土の經て云へは凡
J09_0735A15: 夫の淨土敎を可受時を云一時と也○ところも別
J09_0735A16: にとは彼の機のよろしき處に隨つて佛説法し玉ふ
J09_0735A17: 也故に或在山林處或在王宮聚洛處或は人天處或
J09_0735B18: は聲聞菩薩等の處に在して説法するを云處別○對
J09_0735B19: 機別とは聖道の敎は對斷證機入聖得果の旨を説く
J09_0735B20: 是れ上機の法也又淨土の敎は對常沒機往生淨土の
J09_0735B21: 旨を明す是れ下根下智の凡夫の爲也○利益も別と
J09_0735B22: は其心知るへし○佛の説敎とは虚性なる人に始めよ
J09_0735B23: り瀉藥をもれは還つてあしくなる也實性なる人には
J09_0735B24: 始めよりつよき藥を盛りても苦しからさるか如し
J09_0735B25: ○人天菩薩の解行とは總して聖道の敎門は或は人天
J09_0735B26: に生する囙を説き或は菩薩の位階を説く也○是は別
J09_0735B27: してとは淨土敎は極樂往生の道計りを説く也故に云
J09_0735B28: 別也聖道の敎は人天菩薩に通するか故に云雜行
J09_0735B29: 雜は通の義なり又此の淨土の念佛は唯往生極樂の一の道也
J09_0735B30: ○五濁極增とは末代の今時及ひ萬年の後の百年也聖
J09_0735B31: 道の修行は正像の時には其の證も有るへし末代には
J09_0735B32: 一人も無きこと也○百千萬億とはたとひ百人千人萬
J09_0735B33: 億の學者か來て云ふともと也○わか往生の信心を增
J09_0735B34: 長しとは聖道の修行は自力にして久しく修行し玉ふ

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