浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0735A01: | 別願不共の故なれは也○五十六丁經論を信せさるにはあ |
J09_0735A02: | らすとは凡そ一切の經論は一切衆生を濟ふ如來一代 |
J09_0735A03: | の敎文也故に信する也○さらになんちか破をうけず |
J09_0735A04: | とは所引の經論の文は信すと云へとも其方の破をは |
J09_0735A05: | 不受喩へは古人の耆婆扁鵲かそれそれに藥方を拵 |
J09_0735A06: | へ置く其藥は皆惡しきには非す爾れとも醫師の見 |
J09_0735A07: | 立てに依りて藥か違へは藥還つて毒と成る也藥は一 |
J09_0735A08: | 切經の如しそれそれの機根に應して生死流轉を愈す |
J09_0735A09: | 維摩楞嚴の大機根の菩薩に相應する藥を凡夫に與れ |
J09_0735A10: | は還つて大毒と成つて三惡道の果を招く也○時も別 |
J09_0735A11: | にとは聖道の敎は其の敎に相應する時を見て佛此土 |
J09_0735A12: | 入聖の敎を説くなり淨土敎は此の敎凡夫の機根熟し |
J09_0735A13: | て可受時を見て淨土の敎を説き玉ふ故に云時別 |
J09_0735A14: | 總して經の始に一時と云ふは淨土の經て云へは凡 |
J09_0735A15: | 夫の淨土敎を可受時を云一時と也○ところも別 |
J09_0735A16: | にとは彼の機のよろしき處に隨つて佛説法し玉ふ |
J09_0735A17: | 也故に或在山林處或在王宮聚洛處或は人天處或 |
J09_0735B18: | は聲聞菩薩等の處に在して説法するを云處別○對 |
J09_0735B19: | 機別とは聖道の敎は對斷證機入聖得果の旨を説く |
J09_0735B20: | 是れ上機の法也又淨土の敎は對常沒機往生淨土の |
J09_0735B21: | 旨を明す是れ下根下智の凡夫の爲也○利益も別と |
J09_0735B22: | は其心知るへし○佛の説敎とは虚性なる人に始めよ |
J09_0735B23: | り瀉藥をもれは還つてあしくなる也實性なる人には |
J09_0735B24: | 始めよりつよき藥を盛りても苦しからさるか如し |
J09_0735B25: | ○人天菩薩の解行とは總して聖道の敎門は或は人天 |
J09_0735B26: | に生する囙を説き或は菩薩の位階を説く也○是は別 |
J09_0735B27: | してとは淨土敎は極樂往生の道計りを説く也故に云 |
J09_0735B28: | 別也聖道の敎は人天菩薩に通するか故に云雜行 |
J09_0735B29: | と雜は通の義なり又此の淨土の念佛は唯往生極樂の一の道也 |
J09_0735B30: | ○五濁極增とは末代の今時及ひ萬年の後の百年也聖 |
J09_0735B31: | 道の修行は正像の時には其の證も有るへし末代には |
J09_0735B32: | 一人も無きこと也○百千萬億とはたとひ百人千人萬 |
J09_0735B33: | 億の學者か來て云ふともと也○わか往生の信心を增 |
J09_0735B34: | 長しとは聖道の修行は自力にして久しく修行し玉ふ |