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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0729A01: くすそれを初地の菩薩と云ふ凡夫は煩惱具足の故に
J09_0729A02: 云凡夫若し煩惱を斷ちて生する處の淨土ならは凡
J09_0729A03: 夫往生は不叶也○四十九丁佛の御ちからをはとは言ふ
J09_0729A04: 心は其の方は智惠の有る人と見へたり爾らば本願を
J09_0729A05: は何程と知るそと也善導は佛密意弘深敎門難曉三
J09_0729A06: 賢十聖弗測所闚と云へり是れ十地の菩薩も測ひ知
J09_0729A07: るへからすと釋せる也○それにすぎてとは佛の御力
J09_0729A08: はしれさるものを夫れを知りすこしたるやと也畢竟
J09_0729A09: 佛智の不思議を料簡すきたりと也○たちあひまひら
J09_0729A10: するとは本願には十方衆生と有りて善人惡人男子女
J09_0729A11: 人の凡夫迄も往生を許し玉ふに夫れにたてあふ罪か
J09_0729A12: 有ると也○佛智ならてはとは法華に唯佛與佛乃能
J09_0729A13: 窮盡と説けり○弘願とは總通四十八願別在凡
J09_0729A14: 夫引接願即ち十八と十九と廿と卅五等の願也○一
J09_0729A15: 切善惡の凡夫とは善は十三定善と上六品の機也惡は
J09_0729A16: 下三品也○大願業力とは五劫思惟の四十八願を爲
J09_0729A17: 大願兆載永劫の六度万行を云大業十劫正覺果上
J09_0729B18: の神力利益衆生を云大力也○增上縁とは行者の勤
J09_0729B19: むる行は因也佛の大願業力は外縁也行者の因に佛願
J09_0729B20: 與力接引し玉ふ是を云增上縁也增上とはましあ
J09_0729B21: くると書くなれは增しそだつる意也喩へは赤子を養
J09_0729B22: 育するか如く打捨て置けは人とならぬ故に色色と養
J09_0729B23: ひそだつる也草木なとも亦同し或は人の蹈まさる樣
J09_0729B24: にかきをしまはし或は土をかけ水をかくることき
J09_0729B25: なり爾れは外よりの助を增上と云也今も亦同し念佛
J09_0729B26: は衆生の方の行也それに佛の增上の縁を加へ玉ふ故
J09_0729B27: に因縁和合して凡夫往生すること也總して行者の
J09_0729B28: 方の因はかりにては中中往生は不叶阿彌陀如來增
J09_0729B29: 上の他力の不思議にひかれて生することを得る也凡
J09_0729B30: 夫の因は少し然れとも他力の增上縁を以て也譬へは
J09_0729B31: 一渧の水も依龍力成大雨如し是の故に三萬六萬
J09_0729B32: の行も此の因はかりにて增上縁をからされは得生は
J09_0729B33: 不叶又一念十念の念佛にても依增上縁故に得生
J09_0729B34: す是れにて分別すへき也少しの囙も物の縁をかれは

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