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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0728A01: には難演聽衆は無退屈何返も聞くへきこと也○
J09_0728A02: 火宅とは法華の文如向○出離の縁なしとは出離生
J09_0728A03: 死の縁は一分も無き也有漏の善根は還つて三生の怨
J09_0728A04: 也今世に善根をなせは後世に或は大名高家美男美女
J09_0728A05: と生るとも又還つて惡を造て三生には大地獄へ
J09_0728A06: 墮する也○前後の言葉相違とは先には出離の縁無し
J09_0728A07: と云ひ次には出離の縁有りと法を信するか故に云
J09_0728A08: 相違云云四十七丁たたちにとは直に也○もろもろの往
J09_0728A09: 生をねかはん人とは往生の業に正雜二種あり爾れと
J09_0728A10: も先つ雜行は暫く置く也○まさしく彌陀の本願等と
J09_0728A11: は念佛して本願に歸する人の中にも凡夫なるか故に
J09_0728A12: 貪欲瞋恚の煩惱を起し十惡破戒等も盛ん也此の煩惱
J09_0728A13: 起るとき自身を怯弱するなり本願に依て十聲一聲
J09_0728A14: も生すべしと雖も其の人は煩惱も餘りをこらぬなる
J09_0728A15: へしと思ふ也○怯弱とは怯は懼也畏也おそると訓す
J09_0728A16: 弱は劣也よはしおとると訓す○おほろけとは少縁の
J09_0728A17: 字をおぼろけと訓す是は通途の人にては不可有思
J09_0728B18: ふ也○是は善導和尚とは機を信する釋を指して是
J09_0728B19: れはと云也○四十八丁煩惱をも斷せすとは元祖の竹林院
J09_0728B20: の靜嚴法印并に蓮華谷の明遍僧都へ答へ玉ふにて意
J09_0728B21: 得へし御傳第十三丁同第十六○罪惡をもつくれる凡夫とは元祖の
J09_0728B22: 法語にも本願に乘するに二つ有り一には罪つくる時
J09_0728B23: 乘するなり等と仰せらる御傳二十一七丁の如し○あや
J09_0728B24: うくをぼゆる等とは若し此の釋無くんは凡夫往生
J09_0728B25: はあやうき也○わか心のわろけれはとは三業に貪欲
J09_0728B26: 瞋恚愚癡妄念異念起るか故に不可往生と疑を起
J09_0728B27: すとき本願を疑ふになる也○さやうに申したちな
J09_0728B28: はとはさやうに申し立て見樣ならはなり本願に乘す
J09_0728B29: るは何程の妄念をやむれは本願にかなひ何程の妄
J09_0728B30: 念を起せは本願に乘せすと知るへきと也凡夫の妄念
J09_0728B31: はあつき灰の中にもへくひの有る〓如し煩惱のもへ
J09_0728B32: くひ有るあひたは必す妄念の煙立つ筈也此煩惱のも
J09_0728B33: へくひを燒き盡したらは妄念の煙は止むへき也爾る
J09_0728B34: に此の煩惱のもゑくひは初地見道の智を以て燒きつ

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