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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0727A01: 即ち聖道の安心と淨土の安心は各別也淨土の安心は
J09_0727A02: 心を所求所歸去行の三に置く也三心具足の人は百千
J09_0727A03: 万人あれとも是れ同し解也聖道家の安心は是に異也
J09_0727A04: 故に云別解既に天台の安心眞言の安心華嚴の安心
J09_0727A05: 達磨の安心皆是別別なるか故に云別解也又異學
J09_0727A06: と云は學問ばかりに不限在家の人の談義説法を聞
J09_0727A07: くも學也異見は學問の智惠の働きを云也異執は其の
J09_0727A08: 學問を見立て聞立たる處を執著して此れより外は
J09_0727A09: 無しと思ひつめて改めさるを云也○退失し傾動せら
J09_0727A10: れされとは異學異見の人色色の義理を設けて縱ひ念
J09_0727A11: 佛すとも不可往生云にさまたけられて今迄は三
J09_0727A12: 万返申した人も少しつつ退する也段段退轉して後
J09_0727A13: には自心建立の柱を倒すを失と云也總して地盤か
J09_0727A14: あしく柱の立て樣かわるけれは智者學生にても退失
J09_0727A15: し上根上智の人にても退失す又下根の機にても地形
J09_0727A16: をよくして一度ひ建立したる柱は金輪際より生貫き
J09_0727A17: たる柱なれはいか程異學異見の風か吹きても倒れさ
J09_0727B18: る也かく心腑を落着するは是れ深心具足の人也爾る
J09_0727B19: に今時の人は深心具足せさる故に本願や三心沙汰は
J09_0727B20: 嫌ひてさらさらしたる面白き説法や或は聖道門かか
J09_0727B21: りの理屈くさひ説法なとをすき好むは皆深心不具足
J09_0727B22: の人也扨此の四重破人の難は善導の時分は異學異見
J09_0727B23: 盛にして念佛を信せさる故に具に釋し玉ふ今時は元
J09_0727B24: 祖已來念佛弘通すれはあまり此難は無き也只一兩宗
J09_0727B25: 有りて或は念佛を毀滅し或は異見異執を生して安心
J09_0727B26: を亂すはかり也夫れよりも今時の在俗なとは唯我身
J09_0727B27: の罪過を思ひて本願を疑ふ心有りて安心决定せすや
J09_0727B28: やもすれは皆此の類也なへて深心不具足の人なり可
J09_0727B29: 悲可悲○わたくしにとは源空か心を以て見るにと
J09_0727B30: 云ふこと也○此の二つの釋とは機法二種の略釋也○
J09_0727B31: 文に廣略ありとは善導大師先つ始めに機法二種の略
J09_0727B32: 釋をなして後に大悲を以て亦廣く釋し玉ふ也○ま
J09_0727B33: つ二種の信心等とは此の二種の信心は前前にも具に
J09_0727B34: 有りしこと也爾れとも元祖の丁寧に釋し玉ふを疎略

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