浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0727A01: | 即ち聖道の安心と淨土の安心は各別也淨土の安心は |
J09_0727A02: | 心を所求所歸去行の三に置く也三心具足の人は百千 |
J09_0727A03: | 万人あれとも是れ同し解也聖道家の安心は是に異也 |
J09_0727A04: | 故に云別解既に天台の安心眞言の安心華嚴の安心 |
J09_0727A05: | 達磨の安心皆是別別なるか故に云別解也又異學 |
J09_0727A06: | と云は學問ばかりに不限在家の人の談義説法を聞 |
J09_0727A07: | くも學也異見は學問の智惠の働きを云也異執は其の |
J09_0727A08: | 學問を見立て聞立たる處を執著して此れより外は |
J09_0727A09: | 無しと思ひつめて改めさるを云也○退失し傾動せら |
J09_0727A10: | れされとは異學異見の人色色の義理を設けて縱ひ念 |
J09_0727A11: | 佛すとも不可往生云にさまたけられて今迄は三 |
J09_0727A12: | 万返申した人も少しつつ退する也段段退轉して後 |
J09_0727A13: | には自心建立の柱を倒すを失と云也總して地盤か |
J09_0727A14: | あしく柱の立て樣かわるけれは智者學生にても退失 |
J09_0727A15: | し上根上智の人にても退失す又下根の機にても地形 |
J09_0727A16: | をよくして一度ひ建立したる柱は金輪際より生貫き |
J09_0727A17: | たる柱なれはいか程異學異見の風か吹きても倒れさ |
J09_0727B18: | る也かく心腑を落着するは是れ深心具足の人也爾る |
J09_0727B19: | に今時の人は深心具足せさる故に本願や三心沙汰は |
J09_0727B20: | 嫌ひてさらさらしたる面白き説法や或は聖道門かか |
J09_0727B21: | りの理屈くさひ説法なとをすき好むは皆深心不具足 |
J09_0727B22: | の人也扨此の四重破人の難は善導の時分は異學異見 |
J09_0727B23: | 盛にして念佛を信せさる故に具に釋し玉ふ今時は元 |
J09_0727B24: | 祖已來念佛弘通すれはあまり此難は無き也只一兩宗 |
J09_0727B25: | 有りて或は念佛を毀滅し或は異見異執を生して安心 |
J09_0727B26: | を亂すはかり也夫れよりも今時の在俗なとは唯我身 |
J09_0727B27: | の罪過を思ひて本願を疑ふ心有りて安心决定せすや |
J09_0727B28: | やもすれは皆此の類也なへて深心不具足の人なり可 |
J09_0727B29: | 悲可悲○わたくしにとは源空か心を以て見るにと |
J09_0727B30: | 云ふこと也○此の二つの釋とは機法二種の略釋也○ |
J09_0727B31: | 文に廣略ありとは善導大師先つ始めに機法二種の略 |
J09_0727B32: | 釋をなして後に大悲を以て亦廣く釋し玉ふ也○ま |
J09_0727B33: | つ二種の信心等とは此の二種の信心は前前にも具に |
J09_0727B34: | 有りしこと也爾れとも元祖の丁寧に釋し玉ふを疎略 |