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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0725A01: 三之四丁○流轉とは流は水の流の如く暫も切れ目無き也
J09_0725A02: 轉は轉起にて常に三界に轉起して不出也喩へは桶
J09_0725A03: の中の魚鳥の圍を不出如し○出離の縁あることな
J09_0725A04: しとは此世にて布施し或は堂舍を建立する抔の善根
J09_0725A05: は皆三界の内の有漏の善根也正しく出離生死の爲に
J09_0725A06: は不成此世の富貴なる人は過去の善根によれとも
J09_0725A07: 還て於此世多く惡を造る也大名高家は尚尚の事也
J09_0725A08: 故に有漏の善根は三生の怨と云也如此善根はあれ
J09_0725A09: とも三界出離の善根は一分も無き也又此世て形ち善
J09_0725A10: く生れ付く者は過去に忍辱波羅蜜を行せし功德なれ
J09_0725A11: とも此の世にては還て婬亂不道にして人も愛し我も
J09_0725A12: 自慢して三生目には地獄の釜はだと成る也是の故に
J09_0725A13: 有漏の善根は還て怨となるなり爾るに禮讚には善根
J09_0725A14: 薄少と云ひ疏には無有出離之縁と云ふ此れ相違の
J09_0725A15: 樣なれとも實には無始已來の衆生なれは其中には一
J09_0725A16: 善なと有るへけれとも善は微に惡は著にして未出
J09_0725A17: 火宅故に今云無也今日の面面ともにて知るへき
J09_0725B18: 云云散記一卷二十三丁意○二には决定してとは今此の阿彌陀如
J09_0725B19: 來の本願に不遇出離生死は思ひ絶へたることと深
J09_0725B20: く本願を信する也○衆生を攝受し玉ふとは此の衆生
J09_0725B21: は一切道俗男女也衆生に漏る者は無き也攝受とは攝
J09_0725B22: 取不捨也○うたかひなく等とは不取正覺と譬ひ給ひ
J09_0725B23: て既に成佛し玉ふ故に少しも疑ひ無き也○かの願力
J09_0725B24: に乘してとは船に乘る也法にて云へは阿彌陀如來へ
J09_0725B25: 打任する也船頭を疑ひ船を疑へは不乘也○又决定
J09_0725B26: してとは此れより釋迦如來の三部經を説き玉ふを信
J09_0725B27: する也釋迦の説は虚妄無しと信する也○證讃してと
J09_0725B28: は證明讃嘆なり○又决定してとは六方諸佛の證明を
J09_0725B29: 信して不疑也釋迦の説虚妄無しと信する上に諸佛
J09_0725B30: の證誠あれは少しも疑ひ無きこと也○ねかはくは一
J09_0725B31: 切の行者とは此れより深心の分齊を明す即ち就人立
J09_0725B32: 信の釋也○身命をかへりみすとは身命を輕んするを
J09_0725B33: 云也此に有二類上機は頓に捨身命善導の在世に
J09_0725B34: 或は身を高嶺に投し或は命を深泉に棄つる類ひ是

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