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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0723A01: を誡め玉ふ也○中中とはかへつて也○こまやかに心
J09_0723A02: えさる也とは遁世者さへ名聞あり世に在る人は尚ほ
J09_0723A03: 以て虚假ある也遁世者は隱れて虚假あり世に在る人
J09_0723A04: は面むきにて名聞ある也○在家の男女の身にて等と
J09_0723A05: は隱居遁世の身は佛道修行さもあるへし在家の身
J09_0723A06: 世路の中にて後世を願ふは難有事也いそかはしき
J09_0723A07: 中にも袖の内にて珠數をくりたるは忍んて人に貴か
J09_0723A08: られ後世ふりを人に見られんことを思ふ也是は在家
J09_0723A09: の中虚假の中にて又虚假を作すか故に殊更につよき
J09_0723A10: 虚假也○四十三丁さなからん心とはさようなき心もなり
J09_0723A11: ○菩薩の譏嫌戒とは世のそしり時にいむ事ありて修
J09_0723A12: 行のさはりとも成らんには爲すへきを止め爲すまし
J09_0723A13: きをも爲すことあるを譏嫌戒を守ると云ふなり凡そ
J09_0723A14: 此の用捨は四分等の律文に見へたり又涅槃經には大
J09_0723A15: 菩薩の爲に多の輕戒を説きて息世譏嫌戒と名く彼の
J09_0723A16: 經第十一に見へたり翼賛十八之十一丁但しかくあれはとて出家
J09_0723A17: か譏嫌戒とて衣なとを不著在家へ出入し氣かつき
J09_0723B18: たりとて庵室の外へ出ては小歌なと謠ふは人のそし
J09_0723B19: りになる也菩薩の譏嫌戒は或は詩歌なと作りて慰む
J09_0723B20: ことある也○なせそとはなとは下知の詞也萬葉には
J09_0723B21: 勿の字也歸命上末六丁同下末十二丁○はうにまかせてふるまへはと
J09_0723B22: は是は二百五十戒の中に無きことなれは不苦と云
J09_0723B23: てふるまへは放逸也喩へは捨馬法度と有るか故に捨
J09_0723B24: 牛不苦云ふか如し○いささかとは少しなり歸命上本十三丁
J09_0723B25: ○人目をのみ執してとは譏嫌戒のためとて終には又
J09_0723B26: 虚假になる也出家なとには多く有ること也○四十四丁
J09_0723B27: 此眞實につきてとは疏に廣く約十重厭欣至誠心の
J09_0723B28: 相を解せり委くは彼に在り文しけけれは略し玉ふな
J09_0723B29: り○二に深心といふはとは深心とは深く信する心也
J09_0723B30: 此に二種の信心あり下に出つ爾るに深心とは何程
J09_0723B31: に信するそと云ふとき涯分窮心とて其人の心一はい
J09_0723B32: 也我心を卑下して疑ふは惡しき也人のふかき信心を
J09_0723B33: うらやむはよきなり委くは上の如し○まつ禮讃とは
J09_0723B34: 後に疏を引く故にまつと云へり○眞實の信心なりと

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