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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0717A01: 乘佛願力便得往生彼淸淨土佛力住持即入大
J09_0717A02: 乘正定之聚譬如水路乘船則樂と云へり或は大坂
J09_0717A03: へ下るに天氣の好き日伏見より船に乘るか如し陸路
J09_0717A04: 十三里行くとは大なる違ひ也○目しゐ足なへとは
J09_0717A05: 智惠の眼もつふれ行法の足もなへたる也○たたふね
J09_0717A06: にのりてのみとはのみは船に乘つて計り也○このこ
J09_0717A07: ろとは末法の今時也○たた本願のふねとは道綽禪
J09_0717A08: 師の未有一人得者と釋し給ふと同事也○本願にたと
J09_0717A09: ふる也とは彌陀因位に末代の目しゐ足なへたる今時
J09_0717A10: の凡夫を濟はん爲めに名號の本願を思案工夫して立
J09_0717A11: て玉ふ也○四十八願也とは廣く云へは善導も四十八
J09_0717A12: 願攝受衆生と釋して皆衆生の爲なれとも第十八願
J09_0717A13: は彼の乘りて往く南無阿彌陀佛也○聖道の一門をさ
J09_0717A14: しおきて等とは縱ひ顯密二敎の法にてもあれ何れの
J09_0717A15: 行ても皆捨てよと勸め玉ふなり爾れとも聖道の人は
J09_0717A16: 難捨事也天台の顯眞坐主聖道を捨玉ひし始はちか
J09_0717A17: らも落ち世に心ほそかりしなと仰せられし也御傳第十四卷終
J09_0717B18: されとも聖道の嶮しき道を行く内には終に日か暮れ
J09_0717B19: て谷そこへ墮つへき也誰誰も思ふへきこと也○道綽
J09_0717B20: 善導とは外の人には不可依道綽は一代敎を聖道
J09_0717B21: 淨土と分つて三部經を鏡として釋し玉ふ善導は正雜
J09_0717B22: 二行を分別して本願に順して念佛を正定業と釋し玉
J09_0717B23: ふ也○さきにはとは上を結んて下を起す言は也淨土
J09_0717B24: 本願の船に乘る人は道綽善導を船のり先達として乘
J09_0717B25: るへき也○二十四丁心と行とのふたつとは安心起行也喩
J09_0717B26: へは此れより何方へか往かんと思ふは安心なり正し
J09_0717B27: く足を運ふを起行と云也○善導の釋にとは玄義十八丁
J09_0717B28: 釋也○行のみとは行計りは當て處なき故に何國へ往
J09_0717B29: くへきも不知車に御者なきか如しとて牛つかひか
J09_0717B30: なけれは往き處は不知也○かならす願と行ととは
J09_0717B31: 鳥の雙翼の如く車の兩輪の如し必す願行の兩輪を拵
J09_0717B32: へて往くへき事也爾るに元祖の弟子の中に心の一念
J09_0717B33: 義とて行を缺く人有り片輪也又行の一念義とて一度
J09_0717B34: に南無阿彌陀佛と申して已後はもはや往生疑ひなし

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