浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0717A01: | 乘佛願力便得往生彼淸淨土佛力住持即入大 |
J09_0717A02: | 乘正定之聚譬如水路乘船則樂と云へり或は大坂 |
J09_0717A03: | へ下るに天氣の好き日伏見より船に乘るか如し陸路 |
J09_0717A04: | 十三里行くとは大なる違ひ也○目しゐ足なへとは |
J09_0717A05: | 智惠の眼もつふれ行法の足もなへたる也○たたふね |
J09_0717A06: | にのりてのみとはのみは船に乘つて計り也○このこ |
J09_0717A07: | ろとは末法の今時也○たた本願のふねとは道綽禪 |
J09_0717A08: | 師の未有一人得者と釋し給ふと同事也○本願にたと |
J09_0717A09: | ふる也とは彌陀因位に末代の目しゐ足なへたる今時 |
J09_0717A10: | の凡夫を濟はん爲めに名號の本願を思案工夫して立 |
J09_0717A11: | て玉ふ也○四十八願也とは廣く云へは善導も四十八 |
J09_0717A12: | 願攝受衆生と釋して皆衆生の爲なれとも第十八願 |
J09_0717A13: | は彼の乘りて往く南無阿彌陀佛也○聖道の一門をさ |
J09_0717A14: | しおきて等とは縱ひ顯密二敎の法にてもあれ何れの |
J09_0717A15: | 行ても皆捨てよと勸め玉ふなり爾れとも聖道の人は |
J09_0717A16: | 難捨事也天台の顯眞坐主聖道を捨玉ひし始はちか |
J09_0717A17: | らも落ち世に心ほそかりしなと仰せられし也御傳第十四卷終 |
J09_0717B18: | されとも聖道の嶮しき道を行く内には終に日か暮れ |
J09_0717B19: | て谷そこへ墮つへき也誰誰も思ふへきこと也○道綽 |
J09_0717B20: | 善導とは外の人には不可依道綽は一代敎を聖道 |
J09_0717B21: | 淨土と分つて三部經を鏡として釋し玉ふ善導は正雜 |
J09_0717B22: | 二行を分別して本願に順して念佛を正定業と釋し玉 |
J09_0717B23: | ふ也○さきにはとは上を結んて下を起す言は也淨土 |
J09_0717B24: | 本願の船に乘る人は道綽善導を船のり先達として乘 |
J09_0717B25: | るへき也○二十四丁心と行とのふたつとは安心起行也喩 |
J09_0717B26: | へは此れより何方へか往かんと思ふは安心なり正し |
J09_0717B27: | く足を運ふを起行と云也○善導の釋にとは玄義十八丁 |
J09_0717B28: | 釋也○行のみとは行計りは當て處なき故に何國へ往 |
J09_0717B29: | くへきも不知車に御者なきか如しとて牛つかひか |
J09_0717B30: | なけれは往き處は不知也○かならす願と行ととは |
J09_0717B31: | 鳥の雙翼の如く車の兩輪の如し必す願行の兩輪を拵 |
J09_0717B32: | へて往くへき事也爾るに元祖の弟子の中に心の一念 |
J09_0717B33: | 義とて行を缺く人有り片輪也又行の一念義とて一度 |
J09_0717B34: | に南無阿彌陀佛と申して已後はもはや往生疑ひなし |