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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0715A01: 寬律師聖覺法印なとは元祖の上足なれとも自力の
J09_0715A02: 念佛他力の念佛と云ふことを立て玉ふ也隆寬の義は
J09_0715A03: 閑亭後世物語上十八丁に委し同八丁同下十五丁十八丁見合せよ
J09_0715A04: 聖覺法印は唯信抄と云ふものを作り玉ふ其の中に自
J09_0715A05: 力往生他力往生と云ふことを立つ是れ皆元祖の意に
J09_0715A06: 違するなり其の末書に親鸞は文意と云ふものを作る
J09_0715A07: 文意の解釋甚た難信彼の師所立の義大に正傳に違
J09_0715A08: す謂く一行一心なるを金剛の信心といふ此れ眞實の
J09_0715A09: 信即是れ第十八念佛往生の本願の三信心なり觀經の
J09_0715A10: 三心にはあらす觀經の三心は定機散機の自力の心な
J09_0715A11: り定散の二善を廻して大經の三信心を得んと願ふ方
J09_0715A12: 便の深心至誠心と知るへし眞實の三信心を得され
J09_0715A13: は實の報土には生せす故に大經の三信心を得んこと
J09_0715A14: を能能心得ねかふへきなりと如斯等の所解非一委
J09_0715A15: くは往て見よ所詮眞實の敎とは指無量壽經方便の
J09_0715A16: 敎とは指觀小兩經無量壽經爲根本敎觀小兩經
J09_0715A17: 爲枝末敎稱名の大行は此れ眞實の行即是れ選擇本
J09_0715B18: 願の妙行にして第十七諸佛咨嗟の願是れ也定散の
J09_0715B19: 諸行は此れ方便の行即ち是れ修諸功德至心廻向是也
J09_0715B20: 尚ほ彼の宗の大旨近くは享保年中印行の淨土傳灯總
J09_0715B21: 系譜下卷親鸞の下に釋之云云隆寬律師云佛の本願は只
J09_0715B22: 名號を唱へん凡夫を迎へんとこそ立てをはしますに
J09_0715B23: 自力の者は此の本願の名號を唱へなから我身をつく
J09_0715B24: ろひ我心を調へ戒を持ち齋をし身をせめ心をくたき
J09_0715B25: て通夜終日に頭の燃を掃ふか如くに勵みてこそ本
J09_0715B26: 願にも叶はめと思ひて念佛申を自力と申也他力と申
J09_0715B27: はもとより我身のわろきを始めてつくろひ調へんと
J09_0715B28: も思はす元より我心の煩惱に濁れるを今更すまさん
J09_0715B29: ともせす唯佛の御力に任せて我身の罪をも滅して
J09_0715B30: たへ我心の濁れるをも淸めてたへ我行の弱きをも助
J09_0715B31: てたへと思ふ計にて僅かに舌を働かして名號を唱へ
J09_0715B32: て四種の威儀をも調へす唯ありきありきも立ても居
J09_0715B33: ても寢ても寤ても唱ふ三業の罪障をもかへりみす唯
J09_0715B34: 身に拜み口に唱へ心に念して時を嫌はす處を嫌は

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