ウィンドウを閉じる

J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0714A01: ふ達磨大師も天台の意を以て見れは相似即の第三
J09_0714A02: の信を得玉へとも是も自力にては不叶又天台は觀
J09_0714A03: 行即の五品の位に叶ひ玉へとも是も自力にては不
J09_0714A04: 叶唯權敎の初地圓敎の初住ならては報土に生する
J09_0714A05: ことはならぬ也爾れは縱ひ二百五十戒を持つ人にて
J09_0714A06: も不乘他力不生也喩へは茶の湯すきの人有りて
J09_0714A07: 去る處に飛鳥川の茶入を持つ此の茶入の價は千貫也
J09_0714A08: 一錢缺けてもうらぬと云ふ既に千貫に直段極りて一
J09_0714A09: 錢もまけぬ也極樂へ往生する事も如是此の千貫は
J09_0714A10: 別敎の初地圓敎初住の位也故に千貫の初地の錢を持
J09_0714A11: ねはならぬ也又此に人有りて錢一文も持たねとも彼
J09_0714A12: の茶入を心懸け平らに懇望するとき其の人の志を
J09_0714A13: 感して一錢も不取唯與ふる樣なもの也直段に立つ
J09_0714A14: れは一錢欠けてもならす亦其志を見てからは唯やる
J09_0714A15: 也他力往生も如是定めは初地の菩薩なれとも乘他
J09_0714A16: 力凡夫か生する也○三十二丁道綽等とは安樂集上四十四丁
J09_0714A17: 集月藏經を引畢りて云く當今末法是五濁惡世唯有
J09_0714B18: 淨土一門可通入路也と釋し玉へり○通入とは謂
J09_0714B19: く五乘齊入すること也○わたくしに意うるにとはひ
J09_0714B20: そかにと云ふ意也○ひろく通すとは橫の義也謂く五
J09_0714B21: 逆十惡破戒無戒の輩まても攝す是れ橫也○とをく通
J09_0714B22: すとは竪の義也正法のときも通し像法末法まても通
J09_0714B23: す是れ竪の義也○輕罪とは破戒十惡等也○善人と
J09_0714B24: は十信及ひ十住十行十回向等迄なり○末法のなかを
J09_0714B25: やとは末法を一日に當てて分けて云はは今時は朝の
J09_0714B26: 日の出過きの時分也○難證の聖道をすててとは理
J09_0714B27: 深く解微なる聖道を修せんよりは修し易き淨土門に
J09_0714B28: 入るへしと也○三十二丁難行道易行道とは曇鸞大師依龍
J09_0714B29: 樹菩薩十住毘婆沙論此の二種の道を釋し玉ふ也總
J09_0714B30: して心得るとき此の聖道と難行と自力とは諸宗也淨
J09_0714B31: 土と易行と他力とは皆是れ淨土門也選擇集に言異
J09_0714B32: 意同と有り爾るに元祖御門弟の中に於念佛中自力
J09_0714B33: 他力を立つる人有り是は選擇語燈錄等に違す念佛に
J09_0714B34: 自力他力と云ふことは無き也念佛は皆是れ他力也隆

ウィンドウを閉じる