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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0706A01: 行を好む者は念佛の一行にては不足也と思ひて或は
J09_0706A02: 讀誦善解義趣戒行を持ちてこそは念佛を申ても往生
J09_0706A03: はすへきものをと先つ行體に疑を起す也又機に於て
J09_0706A04: も疑を起す也設ひ念佛すとも戒行なんとを持ちて心
J09_0706A05: の靜なる人こそ往生はすへし我等か如く機猿猴に似
J09_0706A06: て心散亂する者は中中生すへからすと疑を起す又
J09_0706A07: 女人は尚ほ以て疑を起すなり釋迦一人の説にては
J09_0706A08: 難心得此等の疑を起すへき故に丁寧に諸佛證誠し
J09_0706A09: 玉ふなり○大千等とは釋迦の一國は大千界也其の國
J09_0706A10: 中を指す也總して證據を立つる事は物の大事なる時
J09_0706A11: 也小事なる時は舌至鼻端或は至髮際至極の大事
J09_0706A12: には大千世界を覆ふ也○善導釋してとは觀念禮也
J09_0706A13: ○彌陀の本願をうたかふとは乃至十念若不生者不取
J09_0706A14: 正覺と誓玉ふ是の誓言を疑ふ也○二十六丁もし又是を信
J09_0706A15: せはとは上は疑を誡め玉ふ此の下は信を明す也○善
J09_0706A16: 導和尚のいはくとは此の釋初の四句は即ち法事讃
J09_0706A17: 十四丁次の四句は禮讃日中偈後の四句は又法事讃下二十九丁
J09_0706B18: 云云○疑見とは疑は根本煩惱の中の疑煩惱也見も
J09_0706B19: 根本煩惱の中の不正見也○專稱名號とは唯念佛の一
J09_0706B20: 行に獨立ちをさせて餘行を雜へさる也○到彼華開と
J09_0706B21: は上品上生は即悟無生にて即開也次は一宿次は一日
J09_0706B22: 一夜遲きは十二大劫也此の十二大劫も極樂にては十
J09_0706B23: 二日ほと也○十地願行とは初地より段段に增進す此
J09_0706B24: も自然に增進する也故に極樂を早作佛の國と云ふ淨
J09_0706B25: 土論には即得成就阿耨菩提と釋す本論終丁
J09_0706B26:
J09_0706B27: 御誓言の書
J09_0706B28: 此書を又は世に一枚起請とも云也此に御誓言の書と
J09_0706B29: あるも一枚起請と云ふも皆後に標題すること也扨此
J09_0706B30: 書には色色の義理を説くと云へとも所詮何の義理も
J09_0706B31: 無きこと也此の一紙は淨土宗の安心起行念佛者の心
J09_0706B32: 得る處此書に過くへからす押詰たる書也學者も愚者
J09_0706B33: もいろは文字の讀める程の人は此をよむと其儘義理
J09_0706B34: の取れること也其の爲めに書玉ふものを六敷説く

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