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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0682A01: する者は臨終に等活地獄の相現する也此等の業皆臨
J09_0682A02: 終に現せねは叶はぬこと也喩へは借金持は大晦日に
J09_0682A03: なさねはならぬ樣なもの也此の借金をいつかなし終
J09_0682A04: んとするに總して凡夫は煩惱業を以て造り立てたる
J09_0682A05: 者なれは此の借金をすます期は有るへからす喩へは
J09_0682A06: 土人形を水にて洗へは其人形の盡くるまては水の濁
J09_0682A07: るか如きの凡夫也爾るに佛の來迎は其の借金に不
J09_0682A08: 搆つれ行き玉ふ是を佛の增上縁と云也それでも煩
J09_0682A09: 惱業を盡さねは成佛かならぬに依つて彼の土に生し
J09_0682A10: て斷する也依之第十八の次に來迎の願を發し玉ふ
J09_0682A11: 也爾れば凡夫の報土に往生するは皆阿彌陀如來の御
J09_0682A12: 計らひ也扨生因は念佛也果は極樂の快樂なり其果の
J09_0682A13: 快樂を得ること因縁和合せねはならぬ也爾るに因は
J09_0682A14: 第十八縁は第十九因縁和合して往生する也總して一
J09_0682A15: 切の物因縁和合せねは生せさる也瓜茄子の類を造る
J09_0682A16: も其の種と次に地の潤ひの縁を借りて生す今も爾也
J09_0682A17: 念佛の生因も增上縁のうるほひを借りて往生するな
J09_0682B18: り扨來迎は本と念佛者の爲ならは三輩の餘行をは何
J09_0682B19: んとして來迎し玉ふそと云ふ時本とは念佛の爲なれ
J09_0682B20: とも非本願の餘行にも來迎の乘物をかす也喩へは孝
J09_0682B21: 行なる子か爲親乘物を拵へて置く時或は入用なれ
J09_0682B22: は伯父にも叔母にもかす樣なもの也されとも本意は
J09_0682B23: 爲親なり今も亦爾なり○一向專念等とは選擇集に
J09_0682B24: 三輩念佛往生の文と有る此の事也就之廢立助正傍
J09_0682B25: 正の三義あれとも若依善導以初爲正と元祖釋し玉ふ
J09_0682B26: 爾れは三輩に餘行を説くと云へとも皆是れ爲廢也
J09_0682B27: 喩へは人有つて扇子屋にて扇子を買ふ時先つ上中下
J09_0682B28: の段段の扇子を見せるとき惡しき物と相對して其中
J09_0682B29: にて勝れたる扇子を買ひ取り外は悉く捨つるなり如
J09_0682B30: 左阿彌陀如來二百一十億の中に餘行を選ひ捨て唯
J09_0682B31: 念佛の一行を選ひ取り玉ふ又釋迦如來も三輩に種種
J09_0682B32: の行を説き給ふと云へとも念佛に一向の言を置きて
J09_0682B33: 餘行を捨て玉ふ也餘行を並へて説くことは暫く衆生
J09_0682B34: に見せ玉ふの分齊也本是れ選捨の法也爾れは彌陀釋

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