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J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0680A01: 名號を聞きては隨分によろこひ玉ふへし聖道の意は
J09_0680A02: 我身のさびを六波羅蜜の鑪を掛けて落すなり其のさ
J09_0680A03: びに段段あり見惑のさびを落して三惡趣を離れ思惑
J09_0680A04: のさびを落しては三界の生を離れ塵沙無明のさびを
J09_0680A05: 落して極樂に生するなり釋迦如來は昔弗沙佛に逢ひ
J09_0680A06: て法を聞き玉ふとて七日七夜か間片足を擧けて片足
J09_0680A07: を下すことを忘れておろし玉はす彌勒に九劫を超越
J09_0680A08: して成道し玉ふ集解中六十七丁總して聖道の修行は今時の凡
J09_0680A09: 夫は一向に不叶事也阿彌陀如來此の修行に不堪衆
J09_0680A10: 生を憐愍して此願を發し玉ふ也○乃至一念とは極少
J09_0680A11: の少を擧て云一念十念は極少の滿なり乃至は平生
J09_0680A12: なり本願には十念と説き願成には一念と説くことは
J09_0680A13: 臨終に必す十念不滿不往生と思ふへき故に此に一
J09_0680A14: 念と説也○至心回向とは平生臨終ともに人目を不
J09_0680A15: 飾名聞を離れて念佛する也總して念佛者の中に
J09_0680A16: も臨終に七顚八倒して不往生の人有り是は平生の念
J09_0680A17: 佛か定めて名聞虚假の念佛なる故なり出家在家共に
J09_0680B18: まま有ること也先つ在家なれは人にも後生願ひなと
J09_0680B19: と云はれ或は眞如堂誓願寺へ日參するなとと云ひ或
J09_0680B20: は禪門に成りて念佛講の頭にもなる世話やきなどが
J09_0680B21: 常常心に思ふ樣は我は後生願ひなれは臨終に若し
J09_0680B22: 不念佛外聞も惡しき抔思ふ人は皆是れ虚假の念佛
J09_0680B23: 者也如此事は知識長老にも有ること也凡そ死縁無
J09_0680B24: 量の故に何の國何れの處にて死するも不知事也爾
J09_0680B25: れは何れの縁にて死するともままよ兎角人目名聞く
J09_0680B26: るしきことは無き樣に只眞心になり本願を賴みて申
J09_0680B27: すへきなり○即得往生とは非隔一生二生此の生
J09_0680B28: 終ると直に蓮臺に乘して生するなり○不退轉とは位
J09_0680B29: 行念の三不退有れとも此はそれには非す極樂の處不
J09_0680B30: 退なり此界は退縁の土なるか故に段段修行すれとも
J09_0680B31: 惡縁に引きもどされて梯の子をおりる樣に下り下り
J09_0680B32: して終には復三途に墮するなり凡夫はさてをき十信
J09_0680B33: の菩薩にても退轉するなり不退は初住の位よりなり
J09_0680B34: 十信は一萬劫の修行をしつめれは不退轉の位に叶也

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