ウィンドウを閉じる

J1420 和語灯録日講私記 義山・素中 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0679A01: は此れ則ち第十八願成就の文なり云ふ所の衆生とは
J09_0679A02: 凡夫の衆生也三賢十地は法藏菩薩の願力に不依可
J09_0679A03: 離生死凡夫は兎角不依佛力生死を難出故に
J09_0679A04: 此は指凡夫云衆生也爾れとも本爲凡夫兼爲聖人
J09_0679A05: の故に上は十四佛國の薩埵文殊普賢等も生し玉ふ也
J09_0679A06: 凡夫の中にも彌陀の本意は今時の惡衆生を目掛け玉
J09_0679A07: ふ其の今時の衆生と云は十惡を盛に造る惡衆生なり
J09_0679A08: 五逆は雖不造相似の五逆はややもすれは造るなり
J09_0679A09: 爾るに此の惡衆生は彌陀如來のためには正客也女人
J09_0679A10: は尚ほ以て罪深けれは別して是を目掛け玉ふ女人は
J09_0679A11: 男子より仕合せにて本願の上に亦再ひ是を願し玉ふ
J09_0679A12: なり扨其衆生の時節を云ふ時は先つ釋迦出世の正法
J09_0679A13: の中の惡凡夫次に像法の中の惡凡夫取分けて今時末
J09_0679A14: 代の惡凡夫を目掛け玉ふなり末代は惡は盛に善は少
J09_0679A15: き時節なり實に面面ともは五戒を不持故に人間に
J09_0679A16: 還ることも無く禪定を不修故天上に生することも
J09_0679A17: 不叶是れ則ち衆生の機根劣弱にして時節惡しき故
J09_0679B18: なり此の惡凡夫を濟はん爲に此願を發し玉ふ正像の
J09_0679B19: 衆生も生すれとも取分け目掛玉ふは面面ともなり爾
J09_0679B20: れは阿彌陀如來の御恩はおろそかに不可思實に超
J09_0679B21: 世の願とほまれを取り玉ふも此の由なり然れとも衆
J09_0679B22: 生は何とも不思是は親の恩を子供は何とも思はさ
J09_0679B23: るか如し扨今一重此上に時節有り末法萬年の後の百
J09_0679B24: 歳の衆生を目かけ玉ふ是は三時の外の畜生殘害の樣
J09_0679B25: なる衆生なり指此衆生本願には十方衆生と誓ひ此
J09_0679B26: の願成就には其有衆生と説玉ふ是れ則ち本願に目掛
J09_0679B27: け玉ふ萬年の後の衆生は第一の正客なり此時の衆生
J09_0679B28: まて生る故に今時は尚を以の事也况や今時は末法の
J09_0679B29: 初也一日の中にて云へは朝五つ前也萬年の後は夜に
J09_0679B30: 入りて足本の見へぬ時也○九丁聞其名號とは聞とは馬
J09_0679B31: 耳風の如きには非す心腑に落付けて聞く也○信心歡
J09_0679B32: 喜とは本願の中の至心信樂等の三心也信心は深心也
J09_0679B33: 深心の一を擧けて前後の二心を畧する也歡喜は意に
J09_0679B34: 喜ふ也踊躍は身におとるを云也爾れは各各も本願の

ウィンドウを閉じる