浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0679A01: | は此れ則ち第十八願成就の文なり云ふ所の衆生とは |
J09_0679A02: | 凡夫の衆生也三賢十地は法藏菩薩の願力に不依可 |
J09_0679A03: | 離生死凡夫は兎角不依佛力生死を難出故に |
J09_0679A04: | 此は指凡夫云衆生也爾れとも本爲凡夫兼爲聖人 |
J09_0679A05: | の故に上は十四佛國の薩埵文殊普賢等も生し玉ふ也 |
J09_0679A06: | 凡夫の中にも彌陀の本意は今時の惡衆生を目掛け玉 |
J09_0679A07: | ふ其の今時の衆生と云は十惡を盛に造る惡衆生なり |
J09_0679A08: | 五逆は雖不造相似の五逆はややもすれは造るなり |
J09_0679A09: | 爾るに此の惡衆生は彌陀如來のためには正客也女人 |
J09_0679A10: | は尚ほ以て罪深けれは別して是を目掛け玉ふ女人は |
J09_0679A11: | 男子より仕合せにて本願の上に亦再ひ是を願し玉ふ |
J09_0679A12: | なり扨其衆生の時節を云ふ時は先つ釋迦出世の正法 |
J09_0679A13: | の中の惡凡夫次に像法の中の惡凡夫取分けて今時末 |
J09_0679A14: | 代の惡凡夫を目掛け玉ふなり末代は惡は盛に善は少 |
J09_0679A15: | き時節なり實に面面ともは五戒を不持故に人間に |
J09_0679A16: | 還ることも無く禪定を不修故天上に生することも |
J09_0679A17: | 不叶是れ則ち衆生の機根劣弱にして時節惡しき故 |
J09_0679B18: | なり此の惡凡夫を濟はん爲に此願を發し玉ふ正像の |
J09_0679B19: | 衆生も生すれとも取分け目掛玉ふは面面ともなり爾 |
J09_0679B20: | れは阿彌陀如來の御恩はおろそかに不可思實に超 |
J09_0679B21: | 世の願とほまれを取り玉ふも此の由なり然れとも衆 |
J09_0679B22: | 生は何とも不思是は親の恩を子供は何とも思はさ |
J09_0679B23: | るか如し扨今一重此上に時節有り末法萬年の後の百 |
J09_0679B24: | 歳の衆生を目かけ玉ふ是は三時の外の畜生殘害の樣 |
J09_0679B25: | なる衆生なり指此衆生本願には十方衆生と誓ひ此 |
J09_0679B26: | の願成就には其有衆生と説玉ふ是れ則ち本願に目掛 |
J09_0679B27: | け玉ふ萬年の後の衆生は第一の正客なり此時の衆生 |
J09_0679B28: | まて生る故に今時は尚を以の事也况や今時は末法の |
J09_0679B29: | 初也一日の中にて云へは朝五つ前也萬年の後は夜に |
J09_0679B30: | 入りて足本の見へぬ時也○九丁聞其名號とは聞とは馬 |
J09_0679B31: | 耳風の如きには非す心腑に落付けて聞く也○信心歡 |
J09_0679B32: | 喜とは本願の中の至心信樂等の三心也信心は深心也 |
J09_0679B33: | 深心の一を擧けて前後の二心を畧する也歡喜は意に |
J09_0679B34: | 喜ふ也踊躍は身におとるを云也爾れは各各も本願の |