浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0673A01: | ること也是れ日本の文字の故也神代も皆假名也亦天竺の |
J09_0673A02: | 語に通ずること應知然るを學者此の意を察せずして假名を輕ん |
J09_0673A03: | する事誤の甚しきに非すや○文永十二年とは八十九 |
J09_0673A04: | 代龜山院の年號なり了惠卅三の御年歟然るに此の年 |
J09_0673A05: | 建治と改元有りて九十代後宇多院の御治世なりされ |
J09_0673A06: | とも正月は文永の年號也漢語燈は文永十一年臘月八 |
J09_0673A07: | 日の編集也扨此書の印本は此の跋に有る如く元亨年 |
J09_0673A08: | 中に開板せり爾るに老師義山其の印本を尋ね玉ふ事數 |
J09_0673A09: | 年なれとも未得爰に寬永年中に片假名に漢字をま |
J09_0673A10: | しえ加へて印行したる本あれとも今の序の意に違ふ |
J09_0673A11: | 故に何とそ和字の古本をと多年尋ね玉ふに或は古き |
J09_0673A12: | 假名書きの本或は所所の堂上方にも或は北野眞盛の |
J09_0673A13: | 本なとあれとも或はかけ或は文中の具略又は元祖の |
J09_0673A14: | 法語とも見へさる事とも有りて慥ならぬ本なり然る |
J09_0673A15: | に金澤文庫に在相州鎌倉但し金澤は武州の内なり昔北條越後守平顯時稱名寺を建立し此所に文庫を建てて和漢 |
J09_0673A16: | の書を納め儒書には黑印佛書には朱印にて金澤文庫の四字を押す其後頽破して書籍皆散失せり委は鎌倉誌第八之廿三丁見へし元亨 |
J09_0673A17: | 年中の本あり此は建武年中に下總國鏑木光明寺の良 |
J09_0673B18: | 求書寫一本所藏金澤稱名寺文庫之本也稱名寺は眞言律に |
J09_0673B19: | て南都西大寺の末寺なり龜山帝の勅願所なり然るに金澤文庫の書散在の後此一 |
J09_0673B20: | 本在伊豆國藥王寺依之老師此事を知恩院白譽上 |
J09_0673B21: | 人え申達し即ち本山より御尋ね有て豆州藥王寺に在 |
J09_0673B22: | る處の本を取寄せ老師挍合有りて後知恩院御門主の |
J09_0673B23: | 一覽に備へ玉ふ其時の御遺言あるによつて薨去の後 |
J09_0673B24: | 此書を印板して世に行ひ給ふ者也誠に此編集は文永 |
J09_0673B25: | 十二年より至今享保三年凡そ四百四十四年なり又 |
J09_0673B26: | 元亨元年始て板行有りてより至今年三百九十八年 |
J09_0673B27: | 也然るに其舊本を今新に世に流布有りて依此書念 |
J09_0673B28: | 佛の行者の心行の旨を明むる事偏に是れ老師の大功 |
J09_0673B29: | 也亦人は貴舊之本文にも契ふの謂ひならん歟面面 |
J09_0673B30: | ともも此の書を拜覽すること併て老師の大恩なり愼 |
J09_0673B31: | んて應思之耳已上序畢 |
J09_0673B32: | 本 文 |
J09_0673B33: | ○五丁和語第二とは漢語を第一とし和語を第二とす故 |
J09_0673B34: | に云第二末に拾遺二卷あり都へて七卷なり |