浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0644A01: | ことく。かれにてもこれにても。異事に廻向する事 |
J09_0644A02: | なくして。一向に極樂に往生せんと廻向すへき也。 |
J09_0644A03: | もしこのことはりをも。をもひさだめつらんさき |
J09_0644A04: | に。この世の事をもいのり。あらぬかたへも廻向し |
J09_0644A05: | たらん功德をも。みなとり返して。往生の業になさ |
J09_0644A06: | んと廻向すへき也。一切の善根をみな極樂に廻向す |
J09_0644A07: | へしと申せはとて。念佛に歸して。一向に念佛申さ |
J09_0644A08: | ん人の。ことさらに餘の功德をつくりあつめて。廻 |
J09_0644A09: | 向せよとには候はす。過ぬるかたにつくりをきたら |
J09_0644A10: | ん功德をも。もし又こののちなりとも。をのつから便 |
J09_0644A11: | 宜にしたがひて。念佛のほかの善を修する事のあら |
J09_0644A12: | んをも。しかしなから往生の業に廻向すへしと。申 |
J09_0644A13: | す事にて候也。此心金剛のことくにして。別解別行 |
J09_0644A14: | の人にやぶられされと申候は。さきにも申候つる樣 |
J09_0644A15: | に。ことさとりの人にをしへられて。かれこれに廻向 |
J09_0644A16: | する事なかれと申候也。金剛はやぶれぬものにて候 |
J09_0644A17: | なれは。たとへにとりて。この心のやぶれぬ事も。金 |
J09_0644B18: | 剛のことくなれと申候にやとおほへ候。是を廻向發 |
J09_0644B19: | 願心とは申候也三心のありさま。をろをろ申ひらき |
J09_0644B20: | 候ぬ。此三心を具しぬれは。かならす往生するなり。 |
J09_0644B21: | 一心もかけぬれは。むまるる事をえすと。善導は釋し |
J09_0644B22: | 給ひたれは。往生をねかはん人は。最も此三心を具す |
J09_0644B23: | へき也。しかるにかやうに申したるには別別にて。 |
J09_0644B24: | 事事しきやうなれとも。意えとくには。さすかにやす |
J09_0644B25: | く具しぬへき心にて候也。詮してはたたまことの心あ |
J09_0644B26: | りて。ふかく佛のちかひをたのみて。往生をねがはん |
J09_0644B27: | するにて候ぞかし。されはあさきふかきのかはりめ |
J09_0644B28: | こそ候へとも。さほとの心は。たれかをこささらんと |
J09_0644B29: | こそはおほえ候へ。かやうの事は。うとくをもふおり |
J09_0644B30: | には。大事におほえ候。とりよりて沙汰すれは。さ |
J09_0644B31: | すかにやすき事にて候也。よくよく心えとかせおは |
J09_0644B32: | しますへく候。たたしこの三心は。その名をだにもし |
J09_0644B33: | らぬ人も。そらに具して往生し。又こまかにならひ沙 |
J09_0644B34: | 汰する人も。返りて闕る事も候也是につきても。四 |