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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0642A01: のおもひをなすへし。その决定の心によりて。即往
J09_0642A02: 生の業はさだまる也。かく心うればうたがひなし。往
J09_0642A03: 生は不定とおもへは。やかて不定也。一定とおもへ
J09_0642A04: は一定する事にて候也。されは詮しては。ふかく信
J09_0642A05: ずる心と申候は。南無阿彌陀佛と申せは。その佛の
J09_0642A06: ちかひにていかなる身をもえらはす。いかなるとが
J09_0642A07: をもきらはず。一定むかへ給ふぞと。ふかくたのみ
J09_0642A08: て。うたがふ心のすこしもなきを申候なり。又別解
J09_0642A09: 別行にやぶられざれと申候は。解ことに。行ことな
J09_0642A10: らん人の。いはん事につゐて。念佛をもすて往生を
J09_0642A11: もうたがふ事なかれと申候也。さとりことなる人と
J09_0642A12: 申すは。天台法相等の。八宗の學生是也。行ことな
J09_0642A13: る人と申すは。眞言止觀等の。一切の行者是なり。
J09_0642A14: これらはみな聖道門の解行なり。淨土門の解行にこ
J09_0642A15: となるがゆへに。別解別行となづくるなり。あらぬ
J09_0642A16: さとりの人に。いひやふらるましきことはりをは。
J09_0642A17: 善導こまかに釋し給ひて候へとも。その文ひろくし
J09_0642B18: てつぶさにひくにをよはず。心をとりて申さは。たと
J09_0642B19: ひ佛きたりてひかりをはなち。したをいだして煩惱
J09_0642B20: 罪惡の凡夫の。念佛して一定往生すといふ事は。ひ
J09_0642B21: が事そ信すへからすとの給とも。それによりて。一
J09_0642B22: 念もうたがふ心あるへからす。そのゆへは。一切の
J09_0642B23: 佛はみなおなし心に。衆生をはみちひき給ふ也。即
J09_0642B24: まづ阿彌陀如來願ををこしていはく。もしわれ佛に
J09_0642B25: なりたらんに。十方の衆生。わか國にむまれんとね
J09_0642B26: がひて。我か名號をとなるふ事。下十聲一聲にいた
J09_0642B27: らんに。わか願力に乘して。もしむまれずは。正覺
J09_0642B28: をとらしとちかひ給て。その願成就して。すでに佛
J09_0642B29: になり給へり。しかるを釋迦ほとけ此世界にいてて
J09_0642B30: 衆生のために。かの佛の本願をとき給へり。又六方
J09_0642B31: にをのをの恒河沙數の諸佛ましまして。一一に舌を
J09_0642B32: のへて。三千世界におほふて。旡虚妄の相を現して。
J09_0642B33: 釋迦佛の彌陀の本願をほめて。一切衆生をすすめ
J09_0642B34: て。かの佛の名號をとなふれは。さためて往生すと

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