浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0639A01: | みみにみちたるはかなさにて候めれは。事あたらし |
J09_0639A02: | く申たつるにをよはす。たた返返も御心をしづめ |
J09_0639A03: | て。おほしめしはからふへく候。さきには聖道淨土 |
J09_0639A04: | の二門を心えわけて。淨土の一門に。いらせおはし |
J09_0639A05: | ますへきよしを申候き。いまは淨土門につきてをこ |
J09_0639A06: | なふへき樣を申へし。淨土に往生せんとおもはん人 |
J09_0639A07: | は。安心起行と申て。心と行と相應すへき也。その |
J09_0639A08: | 心といふは。觀無量壽經に説ていはく。もし衆生あ |
J09_0639A09: | りて。かの國にむまれんとねかはん者は。三種の心 |
J09_0639A10: | ををこして。即往生すへし。なにをか三つとする。 |
J09_0639A11: | 一には至誠心。二には深心。三には廻向發願心也。 |
J09_0639A12: | 三心を具せるものは。かならすかの國にむまるとい |
J09_0639A13: | へり。善導和尚此三心を釋していはく。一に至誠心 |
J09_0639A14: | と云は。至といは眞也。誠といは實也。一切衆生の |
J09_0639A15: | 身口意業に。修せむところの解行。かならす眞實心 |
J09_0639A16: | の中になすへき事を。あかさんとおもふ。外には賢 |
J09_0639A17: | 善精進の相を現し。内には虚假をいたくことをえされ。 |
J09_0639B18: | 内外明闇をえらはす。かならず眞實をもちひよ。か |
J09_0639B19: | るかゆへに至誠心となづくといへり。此釋の意は。 |
J09_0639B20: | 至誠心といふは。眞實心也。その眞實といふは。身 |
J09_0639B21: | にふるまひ。口にいひ。心におもはん事。みなまこ |
J09_0639B22: | との心を具すへき也。即内はむなしくして。外をか |
J09_0639B23: | さる心のなきをいふなり。此心はうき世をそむき |
J09_0639B24: | て。まことのみちにおもむくとおほしき人人の中 |
J09_0639B25: | に。よくよく用意すへき心ばへにて候也。われも人 |
J09_0639B26: | も。いふはかりなきゆめの世を執ずる心のふかかり |
J09_0639B27: | しなごりにて。ほどほどにつきて名聞利養を。わづ |
J09_0639B28: | かにふりすてたるばかりを。ありかたくいみじき事 |
J09_0639B29: | にして。やがてそれを。返りて又名聞にしなして。此 |
J09_0639B30: | 世さまにも心のたけのうるさきに。とりなしてさと |
J09_0639B31: | りあさき世間の人の。心の中をばしらず。貴がりい |
J09_0639B32: | みじかるを。是こそは本意なれとしえたる心ちし |
J09_0639B33: | て。みやこのほとりをかきはなれて。かすかなるす |
J09_0639B34: | みかをたづぬるまでも。心のしづまらんためをばつ |