浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0638A01: | ちかひをたのみて。决定往生のみちに。をもむけか |
J09_0638A02: | しとこそおもひ候へとも。人の心のさまさまにして |
J09_0638A03: | たた一すぢにゆめまほろしのうき世ばかりのたのし |
J09_0638A04: | みさかへをもとめて。すべてのちの世をもしらぬ人 |
J09_0638A05: | も候。又後世ををそるべきことはりをおもひしり |
J09_0638A06: | て。つとめをこなふ人につきても。かれ此に心をう |
J09_0638A07: | ごかして。一すぢに一行をたのまぬ人も候。又いづ |
J09_0638A08: | れの行にても。もとよりしはじめおもひそめつる事 |
J09_0638A09: | をは。いかなることはりをきけとも本の執心をあら |
J09_0638A10: | ためぬ人も候。又けふはいみじく信ををこして。一 |
J09_0638A11: | すぢにをもむきぬとみゆる程に。うちすつる人も候。 |
J09_0638A12: | かくのみ候て。まことしく淨土の一門にいりて。念 |
J09_0638A13: | 佛の一行をもはらにする人の。ありがたく候事は。 |
J09_0638A14: | わが身ひとつのなげきとこそは。人しれす思ひ候へ |
J09_0638A15: | とも。法によりて。人によらぬことはりをうしなは |
J09_0638A16: | ぬ程の人も。ありがたき世にてをのつからすすめこ |
J09_0638A17: | ころみ候にも。われからのあなづらはしさに。申い |
J09_0638B18: | づることはりもすてらるるにこそなと。おもひしら |
J09_0638B19: | るる事にてのみ候か。心うくかなしく候て。是ゆへ |
J09_0638B20: | にいまひときは。とく淨土にむまれて。さとりをひ |
J09_0638B21: | らきてのち。いそき此世界に還りきたりて。神通方 |
J09_0638B22: | 便をもて。結縁の人をも。無縁のものをも。ほむる |
J09_0638B23: | をも。そしるをも。みなことことく。念佛にすすめ |
J09_0638B24: | いれて。淨土へむかへむとちかひををこしてのみこ |
J09_0638B25: | そ。當時の心をもなくさむる事にて候に。此おほせ |
J09_0638B26: | にそ。わか心さしもしるしあるここちして。あまり |
J09_0638B27: | にうれしく候へ。その儀にて候はは。おなしくは。 |
J09_0638B28: | まめやかにけにけにしく御沙汰候ひて。ゆくすゑも |
J09_0638B29: | あやうからす。往生もたのもしき程に。おほしめし |
J09_0638B30: | さためさせおはしますへく候。詮しては。人のはか |
J09_0638B31: | らひ申すへき事にても候はす。よくよく案して御 |
J09_0638B32: | らん候へ。此事にすきたる御大事何事かは候へき。 |
J09_0638B33: | 此世の名聞利養は。中なかに申ならふるも。いまい |
J09_0638B34: | ましく候。やがてきのふ今日。まなこにさへぎり。 |