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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0637A01: とて。佛の方便してとき給へる事也。順次の義には
J09_0637A02: あらす。花嚴禪門眞言止觀なとの。至極甚深の法門
J09_0637A03: こそ。さる事はあれ。これは衆生もとより懈怠のも
J09_0637A04: のなれは。一度申をきてのち。申さすとも。往生す
J09_0637A05: るおもひに住して。數遍を退轉せん事は。くちおし
J09_0637A06: かるへし。十念は上盡一形に對する時の事也。をそ
J09_0637A07: く念佛にあひたらん人は。いのちつづまりて。百念
J09_0637A08: にもをよはぬは。十念也。十念にもをよはぬは。一
J09_0637A09: 念也。此源空か衣もやきすててこそ。麻のゆかりを
J09_0637A10: 滅したるにてはあらめ。これがあらんかきりは。麻
J09_0637A11: の滅したるにてはなき也。過去無始よりこのかた。
J09_0637A12: 罪業をもて成せる。身ももとのことく。心ももとの
J09_0637A13: 心ならは。なにをか業成し罪滅するしるしとすへ
J09_0637A14: き。罪滅する者は無生をう。無生をうる者は金色の
J09_0637A15: はたへとなる。彌陀の願に金色となさんとちかはせ
J09_0637A16: 給へとも。念佛申人たれか臨終以前に金色となる。
J09_0637A17: ただ物さかしからて。一發心已後無有退轉の釋をあ
J09_0637B18: ふひて。臨終をまつへき也
J09_0637B19: 十問。臨終の來迎は。報佛にておはし候か
J09_0637B20: 答。念佛往生の人は。報佛の迎にあつかる。雜行の
J09_0637B21: 人人往生するは。かならす化佛の來迎にて候也。念
J09_0637B22: 佛もあるひは餘行をまじへ。あるひは疑心をいささ
J09_0637B23: かもまじふる者は。化佛の來迎をみて。報佛をかく
J09_0637B24: したてまつるもの也
J09_0637B25: 建久二年三月十三日東大寺聖人奉問源空上人
J09_0637B26: 御答也
J09_0637B27:
J09_0637B28: 御消息
J09_0637B29: 御文こまかにうけ給はり候ぬ。かやうに申候事の。
J09_0637B30: 一分の御さとりをもそへ。往生の御心さしもつよく
J09_0637B31: なり候ぬへからんには。をそれをもはばかりをも。
J09_0637B32: かへり見るへきにて候はす。いくたびも申たくこそ
J09_0637B33: 候へ。まことにわか身のいやしく。わか心のつたなき
J09_0637B34: をはかへり見候はす。たれたれもみな人の。彌陀の

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