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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0635A01: 三問。三心具足の念佛者は。决定往生歟
J09_0635A02: 答。决定往生する也。三心に智具の三心あり。行具
J09_0635A03: の三心あり。智具の三心といふは。諸宗修學の人の。
J09_0635A04: 本宗の智をもては信をとりかたきを經論の明文を出
J09_0635A05: し。解釋のをもむきをもて。念佛に信をとらしめん
J09_0635A06: とてとき給へる也。行具の三心といふは。一向に歸
J09_0635A07: するは至誠心也。疑心なきは深心也。往生せんとお
J09_0635A08: もふは廻向心也。かるかゆへに一向念佛して。うた
J09_0635A09: がふおもひなく往生せんと思ふは。行具の三心也。
J09_0635A10: 五念四修も一向に信する者には。自然に具する也
J09_0635A11: 四問。念佛せんには。かならす念珠をもたずとも。
J09_0635A12: くるしかるましく候か
J09_0635A13: 答。かならす念珠を持へき也。世間のうたをうたひ
J09_0635A14: 舞をまふすら。その拍子にしたがふ也。念珠をはかせ
J09_0635A15: にて。舌と手とをうごかす也。ただし無明を斷ぜざ
J09_0635A16: らんものは。妄念をこるへし。世間の客と。主との
J09_0635A17: ことし。念珠を手にとる時は。妄念のかずをとらん
J09_0635B18: とは約束せず。念佛のかずとらむとて。念佛のある
J09_0635B19: しをすへつるうへは。念佛は主。妄念は客也。され
J09_0635B20: はとて心の妄念をゆるされたるは。過分の恩也。そ
J09_0635B21: れにあまさへ。口に樣樣の雜言をして。念珠をくり
J09_0635B22: こしなとする事。ゆゆしきひが事なり
J09_0635B23: 五問。此大佛かく仰きまいらせて候へは。この大佛
J09_0635B24: のおはからひにて。淨土にもをくりつけさせ給ふへ
J09_0635B25: く候か
J09_0635B26: 答。此事沙汰の外の事也。三寳をたつるに三あり。
J09_0635B27: 一に一躰三寳といふは。法身の理のうへに三寳の名
J09_0635B28: をたつる也。萬法みな法身より出生するかゆへ也。
J09_0635B29: 二に別相三寳といふは。十方の諸佛は佛寳也。その
J09_0635B30: 智惠をよひ所説の經敎は法寳也。三乘の弟子は僧寶
J09_0635B31: 也。三に住持三寳といふは。畵像木像は佛寳也。か
J09_0635B32: きつけたる經卷は法寶也。剃髮染衣は僧寶也。もし
J09_0635B33: 大佛むかへ給はは。三種三寶の次第みたるへし。そ
J09_0635B34: のゆへは。住持と別相と分別なけれはなり。又本尊

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