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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0626A01: 最下のものの法門をもしらす。智惠もなからんもの
J09_0626A02: は。念佛の外には何事をしてか往生すべきといふ事
J09_0626A03: なし。われをさなくより法門をならひたるものにて
J09_0626A04: あるだにも。念佛より外には何事をかして。生すべ
J09_0626A05: しともおぼへす。たた念佛ばかりをして。彌陀の本
J09_0626A06: 願をたのみて。往生せんとのみおもひてある也。まし
J09_0626A07: て在家の人なとは。何事かあらんと申されしかば。
J09_0626A08: ふかくそのむねをたのみて。念佛をはつかまつり候
J09_0626A09: 也と。申させ給ふへし。又この念佛を申事は。たた
J09_0626A10: わが心より。彌陀の本願の行なりとさとりて申事に
J09_0626A11: もあらす。唐の代に善導和尚と申候し人の。往生の
J09_0626A12: 行業にをいて。專修雜修と申す二つの行をわかちて
J09_0626A13: 。すすめ給へる事也專修といふは。念佛也。雜修とい
J09_0626A14: ふは。念佛の外の行也。專修のものは。百人は百人
J09_0626A15: なから往生し。雜修の者は。千人か中にわつかに
J09_0626A16: 一二人ありといへる也。唐土に又信中と申者こそ。
J09_0626A17: このむねをしるして。專修淨業文といふ文をつくり
J09_0626B18: て。唐土の諸人をすすめたり。その文は。じやうせ
J09_0626B19: う房なとのもとには候らん。それをもちてまいらせ
J09_0626B20: 給ふへし。又專修につきて五種の專修正行といふ事
J09_0626B21: あり。この五種の正行につきて。又正助二行をわか
J09_0626B22: てり。正業といふは。五種の中に第四の念佛也。助
J09_0626B23: 業といふは。その外の四種の行也。いま决定して淨
J09_0626B24: 土に往生せんとおもはは。專雜二修の中には。專修
J09_0626B25: の敎によりて。一向に念佛をすへし。正助二業の中
J09_0626B26: には。正業のすすめによりて。ふた心なくたた第四
J09_0626B27: の稱名念佛をすべしと申候しかは。くはしき旨ふか
J09_0626B28: き意をはしり候はず。さては念佛は。めてたき事に
J09_0626B29: こそあなれと信じて申はかりにて候。件の人の申候
J09_0626B30: しは。善導和尚と申人は。氏ある人にも候はす。阿彌
J09_0626B31: 陀ほとけの化身にておはしまし候なれは。をしへす
J09_0626B32: すめさせ候はんこと。よもひが事にては候はしと申
J09_0626B33: されしを。ふかく信して念佛はつかまつり候也。そ
J09_0626B34: のつくらせ給ひたる文ともおほく候なれとも。文字

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