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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0625A01: きひが事也。ゆめゆめみみにもききいるへからす。つ
J09_0625A02: ゆちりばかりもちゐましき事也。はしめ淨土の三部
J09_0625A03: 經より唐土日本の人師の御作の中にもまたくなき事
J09_0625A04: どもを。心にまかせてわがおもふさまにわろからん
J09_0625A05: とていひ出したる事也。一定三惡道におちんする事
J09_0625A06: 也。一代聖敎の中に。ふつとなき事也。五逆十惡の罪
J09_0625A07: 人の臨終の一念十念によりて來迎にあづかる事は。
J09_0625A08: そのつみをくゐかなしみて。たすけおはしませとお
J09_0625A09: もひて念佛すれは。彌陀如來願力ををこして。罪を滅
J09_0625A10: し來迎しまします也。本願のままにかきてまいらせ
J09_0625A11: 候。このままに信じて。御念佛候へし。かまへてかまへて
J09_0625A12: たうとき念佛者にておはしませ。あなかしこあなかしこ
J09_0625A13:
J09_0625A14: 津戸三郞へつかはす御返事
J09_0625A15: 御文くはしくうけ給り候ぬ。御所より念佛の事召問
J09_0625A16: はれ候はんには。なしかはくはしき事をは申させ給
J09_0625A17: ふへき。けにもいまだくはしくもならはせ給はぬ事
J09_0625B18: にて候へは。專修雜修の間の事は。くはしき沙汰候は
J09_0625B19: すとも。いかやうなる事そと召問はれ候はは。法門の
J09_0625B20: くはしきことはしり候はす。御京上の時うけ給はり
J09_0625B21: わたりて。聖のもとへまかり候て。後世の事をばい
J09_0625B22: かかし候へき。在家のものなとの後生たすかるへき
J09_0625B23: 事は。何事か候らんと問候しかば聖の申候し樣は。
J09_0625B24: おほかた生死をはなるるみち。樣樣におほく候へと
J09_0625B25: も。その中にこのころの人の生死をいづる道は。極
J09_0625B26: 樂に往生するよりほかには。こと道はかなひかたき
J09_0625B27: 事也。是ほとけの衆生をすすめて。生死をいださせ
J09_0625B28: 給ふ一つの道也。しかるに極樂に往生する行又樣樣
J09_0625B29: におほく候へとも。その中に念佛して往生するより
J09_0625B30: 外には。こと行はかなひかたき事にてある也。その
J09_0625B31: ゆへは。念佛はこれ彌陀の一切衆生のためにみつか
J09_0625B32: らちかひたまひたりし本願の行なれは。往生の業に
J09_0625B33: とりては。念佛にしく事はなし。されは往生せんと
J09_0625B34: おもはは。念佛をこそはせめと申候き。いはんや又

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