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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0624A01: 一孝養の心をもてちちははをおもくしおもはん人
J09_0624A02: は。まづ阿彌陀ほとけにあつけまいらすへし。わが
J09_0624A03: 身の人となりて往生をねがひ念佛する事は。ひとへ
J09_0624A04: にわか父母のやしなひたてたれはこそあれ。わが
J09_0624A05: 念佛し候功德をあはれみて。わが父母を極樂へむか
J09_0624A06: へさせおはしまして。罪をも滅しましませとおもは
J09_0624A07: は。かならすかならすむかへとらせおはしまさんする
J09_0624A08: 也。されは唐土に妙雲といひし尼は。おさなくして
J09_0624A09: 父母にをくれたりけるか。二十年はかり念佛して。
J09_0624A10: 父母をいのりしかは。ともに地獄の苦をあらためて。
J09_0624A11: 極樂へまいりたりける也
J09_0624A12: 一善導和尚の往生禮讃に。本願をひきていはく。若
J09_0624A13: 我成佛十方衆生稱我名號下至十聲若不生者不
J09_0624A14: 取正覺彼佛今現在世成佛當知本誓重願不虚衆
J09_0624A15: 生稱念必得往生この文をつねに。口にもとなへ。
J09_0624A16: 心にもうかへ。眼にもあてよ。阿彌陀佛すでに本願
J09_0624A17: を成就し。極樂世界を莊嚴したてて。御目をみめく
J09_0624B18: らして。わが名をとなふる人やあると御らんし。御
J09_0624B19: みみをかたふけて。わか名を稱する者やあると。よ
J09_0624B20: るひるきこしめさるる也。されは一稱も一念も。阿
J09_0624B21: 彌陀佛にしられまいらせずといふ事なし。されは攝
J09_0624B22: 取の光明はわが身をすて給ふ事なく。臨終の來迎は
J09_0624B23: むなしき事なき也。この文は。四十八願の眼也。肝
J09_0624B24: なり。神也。四十八字にむすひたる事は。このゆへ
J09_0624B25: 也。よくよく身をもきよめ。手をもあらひて。ずず
J09_0624B26: をもとり。袈裟をもかくへし。不淨の身にて持佛堂
J09_0624B27: へ入へからす。この世の主君なとをだにも。うやま
J09_0624B28: ひをそるる事にてあるに。まして無上世尊の。もろ
J09_0624B29: もろの大菩薩にもうやまはれ給へるに。われらが身
J09_0624B30: にていかてかなのめにもあたりまいらすへき。一切
J09_0624B31: の諸天もかうべをかたふけ給ふ。いかにいはんやわ
J09_0624B32: れらが身をや。又つみををそるるは。本願をかろし
J09_0624B33: むる也。身をつつしみてよからんとするは。自力を
J09_0624B34: はげむなりといふ事は。ものもおほえぬ。あさまし

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