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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0623A01: しくくみき。これは信心の手をもて疑謗の難をくま
J09_0623A02: は。六方恒沙の諸佛きたりてくみし給ふへし。かれ
J09_0623A03: は大海の水やうやくつきしかば。龍宮のいらかあら
J09_0623A04: はれて如意寳珠を返しとりき。これは疑難のなみこ
J09_0623A05: とことくつきなば。謗家のいらかあらはれて。本願
J09_0623A06: の寳珠を返しとるべし。かれは返しとりて閻浮提に
J09_0623A07: して貧窮のたみをあはれみき。是は返しとりて極樂
J09_0623A08: にむまれて薄地のともからをみちびくべし。ねがは
J09_0623A09: くはもろもろの行者。彌陀本願の寳珠をいまたうば
J09_0623A10: ひとられざらむ者は。ふかく信心のそこにおさめ
J09_0623A11: よ。もしすてにとられたらんものは。すみやかに深
J09_0623A12: 信の手をもて疑謗のなみをくめ。たからをすてて手
J09_0623A13: をむなしくしてかへる事なかれ。いかなる彌陀か十
J09_0623A14: 念の悲願ををこして十方の衆生を攝取し給ふ。いか
J09_0623A15: なるわれらか六字の名號をとなへて三輩の往生をと
J09_0623A16: げさらむ。永劫の修行はこれたれがためそ。功を未
J09_0623A17: 來の衆生にゆずりたまふ。超世の悲願は又なんの料
J09_0623B18: そ。こころさしを未法のわれらにをくり給ふ。われ
J09_0623B19: らもし往生をとぐへからすといはは。ほとけあに正
J09_0623B20: 覺をなり給ふへしや。われらまた往生をとげましや。
J09_0623B21: われらか往生はほとけの正覺により。佛の正覺は我
J09_0623B22: らか往生による。若不生者のちかひこれをもてしる
J09_0623B23: へし。不取正覺のことはかきりあるをや云云
J09_0623B24:
J09_0623B25: 示或人詞
J09_0623B26: 一とはこの時西にむかふへからす。又西をうしろに
J09_0623B27: すへからす。きたみなみにむかふへし。おほかたう
J09_0623B28: ちゐたらんにも。うちふさんにも。かならす西にむ
J09_0623B29: かふへし。もしゆゆしく便宜あしき事ありて。西を
J09_0623B30: うしろにする事あらは。心のうちにわがうしろは西
J09_0623B31: 也。阿彌陀ほとけのおはしますかた也とおもへ。た
J09_0623B32: たいまあしさまにてむかはねとも。心をたにも西方
J09_0623B33: へやりつれは。そそろに西にむかはて。極樂をおも
J09_0623B34: はぬ人にくらふれは。それにまさる也

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