浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
J09_0621A01: | して。かのくにの衆生は。かたちよきもあり。わ |
J09_0621A02: | ろきもありといふ者はなし。乃至天眼天耳光明壽命。 |
J09_0621A03: | をよひ得三法忍の願にいたるまて。これにをいてう |
J09_0621A04: | たかひをなすものはいまたはんへらす。ただ第十八 |
J09_0621A05: | の念佛往生の願一つをのみ信ぜさる也。もしこの願 |
J09_0621A06: | をうたかはは。餘の願をも信すへからす。餘の願を |
J09_0621A07: | 信せは。この一願をうたがふへけんや。法藏比丘い |
J09_0621A08: | またほとけになり給はすといはは。これ謗法になり |
J09_0621A09: | なんかし。もし又なり給へりといはは。いかか此願 |
J09_0621A10: | をうたがふへきや。四十八願の彌陀善逝は。正覺を |
J09_0621A11: | 十劫にとなへたまへり。六方恒沙の諸佛如來は。舌 |
J09_0621A12: | 相を三千世界にのべたまへり。たれか是を信せざる |
J09_0621A13: | へきや。善導この信を釋しての給はく。化佛報佛若一 |
J09_0621A14: | 若多。乃至十方に遍して。ひかりをかかやかし。し |
J09_0621A15: | たをはきて。あまねく十方におほひて。この事虚妄 |
J09_0621A16: | なりとの給はんにも。畢竟して一念疑退の心ををこ |
J09_0621A17: | さしとの給へり。しかるをいまの行者たちは。異學 |
J09_0621B18: | 異見のために。たやすくこれをやふらる。いかにい |
J09_0621B19: | はんや報佛化佛の給はんをや。そもそもこの行をす |
J09_0621B20: | ては。いすれの行にかをもむき給ふへき。智惠なけ |
J09_0621B21: | れは。聖敎をひらくにまなこくらし。財寶なけれは |
J09_0621B22: | 布施を行するにちからなし。むかし波羅柰國に太子 |
J09_0621B23: | ありき。大施太子と申き。貧人をあはれみて。くら |
J09_0621B24: | をひらきてもろもろのたからを出してあたへ給ふ |
J09_0621B25: | に。たからはつくれともまづしき者はつくべから |
J09_0621B26: | ず。ここに太子うみの中に如意寳珠ありときき。海 |
J09_0621B27: | にゆきてもとめてまづしきたみにたからをあたへん |
J09_0621B28: | とちかひて。龍宮にゆき給ふに。龍王おとろきあや |
J09_0621B29: | しみて。おぼろけの人にはあらずといひて。みつか |
J09_0621B30: | らむかへてたからのゆかにすへたてまつり。はるか |
J09_0621B31: | にきたり給へるこころさし何事をもとめ給ふそとと |
J09_0621B32: | へは。太子の給はく。閻浮提の人まづしくてくるし |
J09_0621B33: | む事おほし。王のもととりの中の寳珠をこはんがた |
J09_0621B34: | めにきたる也との給へは。王のいはく。しからは七日 |