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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0620A01: むまるへき別願ををこして。その願成就せは。佛に
J09_0620A02: なるへきかゆへ也。この願もし滿足せずは。永劫を
J09_0620A03: ふともわれ正覺をとらじ。ただし未來惡世の衆生。
J09_0620A04: 憍慢懈怠にして。是にをいて信ををこす事かたかる
J09_0620A05: へし。一佛二佛のとき給はんには。をそらくはうた
J09_0620A06: かふ心をなさんことを。ねがはくはわれ十方諸佛に。
J09_0620A07: ことことくこの願を稱揚せられたてまつらんと。か
J09_0620A08: くのことく思惟して。第十七の願に設我得佛十方無
J09_0620A09: 量諸佛不悉咨嗟稱我名者不取正覺とちかひ給
J09_0620A10: ひて。つきに第十八願に乃至十念。若不生者。不取
J09_0620A11: 正覺。とちかひ給へり。その無量の諸佛に。稱揚せ
J09_0620A12: られたてまつらんと。たて給へる願。すでに成就し
J09_0620A13: 給へるゆへに。六方にをのをの恒河沙のほとけまし
J09_0620A14: まして。廣長の舌相を出して。あまねく三千大千世
J09_0620A15: 界におほひて。みなおなしくこの事をまことなりと
J09_0620A16: 證誠し給へり。善導これを釋しての給はく。もしこ
J09_0620A17: の證によりてむまるる事を得すは。六方の諸佛のの
J09_0620B18: べ給へる舌。口よりいてをはりてのち。つゐに口に
J09_0620B19: 返りいらずして。自然にやぶれただれんとのたまへ
J09_0620B20: り。これを信せさらん者は。すなはち十方恒沙の諸
J09_0620B21: 佛の御したをやぶる也。よくよく信すへし。一佛二
J09_0620B22: 佛の御したをやふらんだにもあり。いかにいはんや
J09_0620B23: 十方恒沙の諸佛をや。大地微塵劫を超過すとも。い
J09_0620B24: また三途の身をはなるへからすとの給へり。彌陀の
J09_0620B25: 四十八願といは。無三惡趣。不更惡趣。乃至念佛往
J09_0620B26: 生等の願これ也。すへて四十八願の中に。いつれの
J09_0620B27: 願か一つとして。成就し給はぬ願あるへき。願こと
J09_0620B28: に不取正覺とちかひて。いますでに正覺をなり給へ
J09_0620B29: る故也。しかるを無三惡趣の願を信せすして。彼國
J09_0620B30: に三惡道ありといふものはなし。不更惡趣の願を信
J09_0620B31: せすして。かのくにの衆生いのちをはりてのち。又
J09_0620B32: 惡道に返るといふ者はなし。悉皆金色の願を信せす
J09_0620B33: して。かのくにの衆生は。金色なるもあり。白色な
J09_0620B34: るもありといふものはなし。無有好醜の願を信せす

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