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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0619A01: しかれは信をは一念にむまるととりて。行をは一形
J09_0619A02: にはげむへしとすすむる也。彌陀の本願を信じて。
J09_0619A03: 念佛の功つもり。運心としひさしくは。なんぞ願力
J09_0619A04: を信せすといふへきや。すへて薄地の凡夫。彌陀の
J09_0619A05: 淨土にむまれん事。他力にあらずはみな道たえたる
J09_0619A06: へき事也。をよそ十方世界の諸佛善逝。穢土の衆生
J09_0619A07: を引導せんがためには。穢土にして正覺をとなへ。
J09_0619A08: 淨土の衆生を化益せんが爲には。淨土にして正覺を
J09_0619A09: 成給ふに。阿彌陀佛は淨土にして正覺を成て。しか
J09_0619A10: も穢土の衆生を引導せんといふ願をたて給へり。そ
J09_0619A11: れ穢土にして正覺をとなふれは。隨類應同の相をし
J09_0619A12: めすかゆへに。いのちなかからすして。とく涅槃に
J09_0619A13: 入なり。又淨土にして正覺を唱ふれは。報佛報土は
J09_0619A14: 是地上の大菩薩の所居にして。未斷惑の凡夫は。た
J09_0619A15: たちにむまるる事あたはざるところ也。しかるを。い
J09_0619A16: ま阿彌陀佛淨土を莊嚴し給ふことは。をよそ佛道を
J09_0619A17: 修行し。成佛を願求する本意は。造惡不善のともか
J09_0619B18: らの。輪轉きはまりなからんを引導し。破戒淺智の
J09_0619B19: やからの。出離の期なからんをあはれまむがため
J09_0619B20: 也。もしそれ三賢を證し。十地をきはめたる久行の
J09_0619B21: 聖人。深位の菩薩の六度萬行を具足し。諸波羅蜜を
J09_0619B22: 修行してむまるるといはは。これ大悲の本意にあら
J09_0619B23: す。この修因感果のことはりを。大慈大悲の御心の
J09_0619B24: うちに思惟して。年序そらにつもりて。星霜五劫に
J09_0619B25: をよへり。かくのことく善巧方便をめぐらして。思惟
J09_0619B26: し給はく。われ別願をもて淨土に居して。薄地底下
J09_0619B27: の衆生を引導すへし。その衆生のおのれが業力によ
J09_0619B28: りて。むまるるといははかたかるへし。我須衆生の
J09_0619B29: ために。永劫の修行ををくり。僧祗の苦行をめぐら
J09_0619B30: して。万行万善の果德圓滿し。自覺覺他の覺行竆滿
J09_0619B31: して。その成就せんところの萬德無漏の一切の功德
J09_0619B32: をもて。わが名號として。衆生にとなへしめん。衆
J09_0619B33: 生もしこれにをいて。信をいたして稱念せは。わが
J09_0619B34: 願にこたへてむまるる事をうへし。名號をとなへは

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