浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0619A01: | しかれは信をは一念にむまるととりて。行をは一形 |
J09_0619A02: | にはげむへしとすすむる也。彌陀の本願を信じて。 |
J09_0619A03: | 念佛の功つもり。運心としひさしくは。なんぞ願力 |
J09_0619A04: | を信せすといふへきや。すへて薄地の凡夫。彌陀の |
J09_0619A05: | 淨土にむまれん事。他力にあらずはみな道たえたる |
J09_0619A06: | へき事也。をよそ十方世界の諸佛善逝。穢土の衆生 |
J09_0619A07: | を引導せんがためには。穢土にして正覺をとなへ。 |
J09_0619A08: | 淨土の衆生を化益せんが爲には。淨土にして正覺を |
J09_0619A09: | 成給ふに。阿彌陀佛は淨土にして正覺を成て。しか |
J09_0619A10: | も穢土の衆生を引導せんといふ願をたて給へり。そ |
J09_0619A11: | れ穢土にして正覺をとなふれは。隨類應同の相をし |
J09_0619A12: | めすかゆへに。いのちなかからすして。とく涅槃に |
J09_0619A13: | 入なり。又淨土にして正覺を唱ふれは。報佛報土は |
J09_0619A14: | 是地上の大菩薩の所居にして。未斷惑の凡夫は。た |
J09_0619A15: | たちにむまるる事あたはざるところ也。しかるを。い |
J09_0619A16: | ま阿彌陀佛淨土を莊嚴し給ふことは。をよそ佛道を |
J09_0619A17: | 修行し。成佛を願求する本意は。造惡不善のともか |
J09_0619B18: | らの。輪轉きはまりなからんを引導し。破戒淺智の |
J09_0619B19: | やからの。出離の期なからんをあはれまむがため |
J09_0619B20: | 也。もしそれ三賢を證し。十地をきはめたる久行の |
J09_0619B21: | 聖人。深位の菩薩の六度萬行を具足し。諸波羅蜜を |
J09_0619B22: | 修行してむまるるといはは。これ大悲の本意にあら |
J09_0619B23: | す。この修因感果のことはりを。大慈大悲の御心の |
J09_0619B24: | うちに思惟して。年序そらにつもりて。星霜五劫に |
J09_0619B25: | をよへり。かくのことく善巧方便をめぐらして。思惟 |
J09_0619B26: | し給はく。われ別願をもて淨土に居して。薄地底下 |
J09_0619B27: | の衆生を引導すへし。その衆生のおのれが業力によ |
J09_0619B28: | りて。むまるるといははかたかるへし。我須衆生の |
J09_0619B29: | ために。永劫の修行ををくり。僧祗の苦行をめぐら |
J09_0619B30: | して。万行万善の果德圓滿し。自覺覺他の覺行竆滿 |
J09_0619B31: | して。その成就せんところの萬德無漏の一切の功德 |
J09_0619B32: | をもて。わが名號として。衆生にとなへしめん。衆 |
J09_0619B33: | 生もしこれにをいて。信をいたして稱念せは。わが |
J09_0619B34: | 願にこたへてむまるる事をうへし。名號をとなへは |