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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0617A01: このともからは一宗をも興隆すへきかは。ただいた
J09_0617A02: づらに念佛の業を廢したるばかりにて。またまたそ
J09_0617A03: れ諸宗のをぎろをもさくるへからす。しかれはこれ
J09_0617A04: おほきなる損にあらすや。諸宗のふかきなかれをく
J09_0617A05: む南都北京の學者。兩部の大法をもつたへたる本寺
J09_0617A06: 本山の禪徒。百千萬の念佛世にひろまりたりとも。
J09_0617A07: 本宗をあらたむへきにあらす。又佛法うせなんとす
J09_0617A08: とて念佛を廢せは。念佛はこれ佛法にあらずや。た
J09_0617A09: とへは虎狼の害をにけて。獅子にむかひてはしらん
J09_0617A10: かことし。餘行を謗じ念佛を謗ぜん。おなしくこれ
J09_0617A11: 逆罪也。とらおほかみに害せらるると。獅子に害せ
J09_0617A12: られんと。ともにかならす死すへし。これをも謗す
J09_0617A13: へからす。かれをもそねむへからす。ともにみな佛
J09_0617A14: 法也。たがひに偏執する事なかれ。像法决疑經にい
J09_0617A15: はく。三學の行人たがひに毀謗して。地獄にいるこ
J09_0617A16: とときやのことしといへり。又大論にいはく。自法を
J09_0617A17: 愛染するゆへに。他人の法を毀呰すれは。持戒の行
J09_0617B18: 人なりといへとも。地獄の苦をまぬかれすといへり。
J09_0617B19: 又善導和尚のの給はく
J09_0617B20: 世尊説法時將了 慇懃付屬彌陀名
J09_0617B21: 五濁增時多疑謗 道俗相嫌不用聞
J09_0617B22: 見有修行起瞋毒 方便破壞競生怨
J09_0617B23: 如此生盲闡提輩 毀滅頓敎永沈淪
J09_0617B24: 超過大地微塵劫 未可得離三途身
J09_0617B25: といへり。念佛を修せんものは。餘行をそしるべか
J09_0617B26: らす。そしらはすなはち彌陀の悲願にそむくへきか
J09_0617B27: ゆへなり。餘行を修せん者も念佛をそしるへから
J09_0617B28: す。又諸佛の本誓にたがふかゆへ也。しかるをいま
J09_0617B29: 眞言止觀の窓のまへには。念佛の行をそしり。一向
J09_0617B30: 專念の床のうへには。諸餘の行をそしる。ともに我
J09_0617B31: 我偏執の心をもて義理をたて。たがひにをのをの是
J09_0617B32: 非のおもひに住して會釋をなす。あにこれ正義にか
J09_0617B33: なはんや。みなともに佛意にそむけり。つきに又難
J09_0617B34: 者のいはく。今來の念佛者わたくしの義をたてて。

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