浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0616A01: | 願のゆへ也。又般舟三昧經にいはく。跋陀和菩薩。 |
J09_0616A02: | 阿彌陀佛にとひていはく。いかなる法を行してか。 |
J09_0616A03: | かの國にむまるへきやと。阿彌陀佛の給はく。わか |
J09_0616A04: | 國に來生せんとおもはんものは。つねに我名を念 |
J09_0616A05: | じてやむ事なかれ。かくのことくして。わが國に來生 |
J09_0616A06: | する事をうとの給へり。これ又弘願のむねを。かの |
J09_0616A07: | ほとけみつからのたまへり。又五臺山の大聖竹林寺 |
J09_0616A08: | の記にいはく。法照禪師淸凉山にのぼりて。大聖竹 |
J09_0616A09: | 林寺にいたる。ここに二人の童子あり。一人をは善 |
J09_0616A10: | 財といひ。一人をは難陀といふ。この二人の童子。 |
J09_0616A11: | 法照禪師をみちびきて。寺のうちにいれて。漸漸に |
J09_0616A12: | 講堂にいたりてみれは。普賢菩薩。無數の眷屬に圍 |
J09_0616A13: | 繞せられて座し給へり。文殊師利は。一萬の菩薩に |
J09_0616A14: | 圍繞せられて坐し給へり。法照禮してとひたてまつ |
J09_0616A15: | りていはく。末法の凡夫はいづれの法をか修すへ |
J09_0616A16: | き。文殊師利こたへての給はく。なんぢすでに念佛 |
J09_0616A17: | せよ。いままさしくこの時也と。法照又とひていは |
J09_0616B18: | く。まさにいづれの佛をか念すへきと。文殊又の給 |
J09_0616B19: | はく。この世界をすぎて西方に阿彌陀佛まします。 |
J09_0616B20: | かのほとけまさに願ふかくまします。なんぢまさに |
J09_0616B21: | 念ずへしと。大聖文殊。法照禪師にまのあたりの給 |
J09_0616B22: | ひし事也。すべてひろくこれをいへは。諸敎にあま |
J09_0616B23: | ねく修せしめたる法門也と。つふさにあぐるにいと |
J09_0616B24: | まあらす。しかるをこのころ念佛のよにひろまりた |
J09_0616B25: | るによりて。佛法うせなんとすと。諸宗の學者難破 |
J09_0616B26: | をいたすによりて。人おほく念佛の行を廢すときこ |
J09_0616B27: | ゆ。いまた意得す侍る。佛法はこれ萬年也。うしな |
J09_0616B28: | はんとおもふとも。佛法擁護の諸天善神まもり給ふ |
J09_0616B29: | ゆへに。人のちからにてはかなふへからす。かの守 |
J09_0616B30: | 屋の大臣が。佛法を破滅せむとせしかとも。法命い |
J09_0616B31: | まだつきずして。いまにつたはるかことし。いはんや |
J09_0616B32: | 無智の道俗在家の男女のちからにて。念佛を行する |
J09_0616B33: | によりて。法相三論も隱沒し。天台華嚴も廢退する |
J09_0616B34: | 事なじかはあるべき。念佛を行せすしてゐたらは。 |