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J1410 拾遺和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0612A01: 野にすて。これをとをき山にをくる。かはねはつゐ
J09_0612A02: にこけのしたにうづもれ。たましゐはひとりたひの
J09_0612A03: そらにまよふ。妻子眷屬は。家にあれともともなは
J09_0612A04: ず。七珍萬寳は。藏にみてれとも益もなし。ただ身
J09_0612A05: にしたがふものは。後悔のなみた也。つゐに閻魔の
J09_0612A06: 廳にいたりぬれは。つみの淺深をさだめ。業の輕重
J09_0612A07: をかんがへらる。法王罪人にとひていはく。なんぢ
J09_0612A08: 佛法流布の世にむまれて。なんぞ修行せずして。い
J09_0612A09: たづらにかへりきたるやとその時にはわれらいかか
J09_0612A10: こたへむとする。すみやかに出要をもとめて。むな
J09_0612A11: しく歸る事なかれ。そもそも一代諸敎のうち。顯宗
J09_0612A12: 密宗。大乘小乘。權敎實敎論家。部八宗にわかれ。
J09_0612A13: 義萬差につらなりて。あるひは萬法皆空の旨をとき。
J09_0612A14: あるひは諸法實相の意をあかし。あるひは五性各別
J09_0612A15: の義をたて。あるひは悉有佛性の理を談し。宗宗に
J09_0612A16: 究竟至極の義をあらそひ。各各に甚深正義の宗を論
J09_0612A17: ず。みなこれ經論の實語也。抑又如來の金言也。あ
J09_0612B18: るひは機をととのへてこれをとき。あるひは時をか
J09_0612B19: かみてこれををしへ給へり。いづれかあさく。何れ
J09_0612B20: かふかき。ともに是非をわきまへかたし。かれも敎
J09_0612B21: これも敎。たがひに偏執をいたく事なかれ。説のご
J09_0612B22: とく修行せは。みなことことく生死を過度すべし。
J09_0612B23: 法のことく修行せは。ともにおなしく菩提を證得す
J09_0612B24: へし。修せずしていたつらに是非を論す。たとへは
J09_0612B25: 目しゐたる人のいろの淺深を論し。みみしゐたる人
J09_0612B26: のこゑの好惡をいはんかことし。ただすべからく修
J09_0612B27: 行すへし。何も生死解脱のみち也。しかるにいまか
J09_0612B28: れを學する人はこれをそねみ。これを誦する人はか
J09_0612B29: れをそしる。愚鈍のものこれがためにまどひやすく
J09_0612B30: 淺才の身是がためにわきまへかたし。たまたま一法
J09_0612B31: にをもむきて功をつまんとすれは。すなはち諸宗の
J09_0612B32: あらそひたかひにきたる。ひろく諸敎にわたりて義
J09_0612B33: を談せんとおもへは。一期のいのちくれやすし。か
J09_0612B34: の蓬萊方丈瀛州といふなる三の山にこそ。不死のく

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