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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0586A01: まなこをいれひらきまいらせ候を申候也。これをは
J09_0586A02: 事の開眼と申候也。つぎに僧の佛眼の眞言をもて。
J09_0586A03: まなこをひらき。大日の眞言をもて。ほとけの一切
J09_0586A04: の功德を成就し候をは。理の開眼と申候也。つぎに
J09_0586A05: 供養といふは。ほとけに。花香佛供。御あかしなとを
J09_0586A06: もまいらせ。さらぬたからをもまいらせ候を。供養
J09_0586A07: とは申候也
J09_0586A08: 一この眞如觀は。志候へき事にて候か
J09_0586A09: 答。これは惠心のと申て候へとも。いらぬ物にて候也
J09_0586A10: おほかた眞如觀は。われら衆生は。えせぬ事にて候
J09_0586A11: 程に。往生のためには。成へきともおもはれぬこと
J09_0586A12: にて候へは。無益に候
J09_0586A13: 一又これに計算して候ところは。何事もむなしと觀
J09_0586A14: ぜよと申て候。空觀と申候は。これにて候な。され
J09_0586A15: は觀し候へきやうは。たとへはこの世のことを執著
J09_0586A16: して。思ふましきとをしへて候と見えて候へは。お
J09_0586A17: ほやう御らんのためにまいらせ候
J09_0586B18: 答。これはみな理觀とてかなはぬ事にて候也。僧のと
J09_0586B19: しころならひたるだにもえせず。まして女房なとの。
J09_0586B20: つやつや案内もしらざらんは。いかにもかなふまじ
J09_0586B21: く候也。御たづねまでも無益にて候
J09_0586B22: 一この七佛の名號をとなふべき樣とて。人のたびて
J09_0586B23: 候ままに信じ候へは。つみはうせ候べきか。なに事
J09_0586B24: もそれよりおほせ候御事は。たのもしく候ひて。か
J09_0586B25: やうに申候
J09_0586B26: 答。これさなくとも候なん。念佛にこれらのつみの
J09_0586B27: うせ候ましくはこそ候はめ
J09_0586B28: 一一文の師をもをろそかに申候へは。習ひたる物の
J09_0586B29: 冥加なしと申候は。まことにて候か
J09_0586B30: 答。師のことはをろそかならず候。恩の中にふかき事
J09_0586B31: これにすぎ候はす
J09_0586B32: 一心を一つにして念し候はは。心よくなをり候はず
J09_0586B33: とも。何事ををこなひ候はずとも。念佛はかりにて
J09_0586B34: 淨土へはまいり候へきか

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