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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0578A01: からず。すてに往生したる心地して。最後の一念に
J09_0578A02: いたるまてたゆまざるものは。自然に三心は具足す
J09_0578A03: る也。又在家の者ともは。これ程までおもはされと
J09_0578A04: も。たた念佛申す者は極樂にむまるなれはとて。つ
J09_0578A05: ねに念佛をだにも申せは。そらに三心は具足する也。
J09_0578A06: されはこそいふにかひなきものともの中にも。神妙
J09_0578A07: なる往生をはする事にてあれ
J09_0578A08: 問曰。臨終の一念は。百年の業にすぐれたりと申す
J09_0578A09: は。平生の念佛の中に。臨終の一念ほどの念佛をば
J09_0578A10: 申いだし候まじく候やらん
J09_0578A11: 答。三心具足の念佛は。おなし事也。そのゆへは。
J09_0578A12: 觀經にいはく。具三心者必生彼國といへり。必の文
J09_0578A13: 字のあるゆへに。臨終の一念とおなし事也
J09_0578A14: この問答の問をは。進行集には。禪勝房の問とい
J09_0578A15: へり。ある文には隆寬律師といへりたづぬへし
J09_0578A16:
J09_0578A17: 十二箇條問答
J09_0578B18: 問ていはく。念佛すれは往生すへしといふ事。耳な
J09_0578B19: れたるやうにありなから。いかなるゆへともしらず。
J09_0578B20: かやうの五障の身まても。すてられぬ事ならは。こ
J09_0578B21: まかにをしへさせ給へ
J09_0578B22: 答ていはく。をよそ生死をいづる行一つにあらすと
J09_0578B23: いへとも。まづ極樂に往生せんとねがへ。彌陀を念せ
J09_0578B24: よといふ事。釋迦一代の敎にあまねくすすめ給へり
J09_0578B25: そのゆへは。阿彌陀佛本願ををこして。わが名號を
J09_0578B26: 念せんもの。わが淨土にむまれずは。正覺をとらじ
J09_0578B27: とちかひて。すでに正覺をなり給ふゆへに。この名
J09_0578B28: 號をとなふるものはかならす往生する也。臨終の時
J09_0578B29: もろもろの聖衆とともにきたりて。かならす迎接し
J09_0578B30: 給ふゆへに。惡業としてさふるものなく。魔縁として
J09_0578B31: さまたくる事なし。男女貴賤をもえらはす。善人惡人
J09_0578B32: をもわかたす。至心に彌陀を念するにむまれずとい
J09_0578B33: ふ事なし。たとへはおもき石をふねにのせつれば。し
J09_0578B34: つむ事なく。萬里のうみをわたるがことし。罪業のお

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