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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0577A01: 名正定之業。順彼佛願故と釋し給へり。この釋は數
J09_0577A02: 遍つもらんも。本願とはきこえたれは。たた本願に
J09_0577A03: あふ機の。遲速不同なれは。上盡一形下至一念と。
J09_0577A04: をこし給へる本願也と意うへき也。かるかゆへに念
J09_0577A05: 佛往生の願とこそ。善導は釋し給へ
J09_0577A06: 問曰。自力他力の事は。いかが意え候へき
J09_0577A07: 答。源空は殿上へまいるべき器量にてはなけれと
J09_0577A08: も。上よりめせは二度まてまいりたりき。これはわが
J09_0577A09: まいるへきしなにてはなけれとも。上の御ちから也
J09_0577A10: まして阿彌陀ほとけの御ちからにて。稱名の願にこ
J09_0577A11: たへて。來迎せさせ給はん事は。なんの不審かある
J09_0577A12: へき。わが身つみをもくて無智なれは。佛もいかに
J09_0577A13: してかすくひ給はんなとおもはんものは。つやつや
J09_0577A14: 佛の願をしらさるもの也。かかる罪人ともを。やす
J09_0577A15: やすとたすけすくはん料に。をこし給へる本願の名
J09_0577A16: 號をとなへなから。ちりばかりもうたかふ心はある
J09_0577A17: ましき也。十方衆生のことはの中に。有智無智。有罪
J09_0577B18: 無罪。善人惡人。持戒破戒。男子女人。三寶滅盡の
J09_0577B19: 後の百歳まての衆生みなこもる也。かの三寶滅盡の
J09_0577B20: 時の念佛者と。當時の御房達とくらふれは。當時の
J09_0577B21: 御房達は。佛のことし。かの時の人のいのちはたた
J09_0577B22: 十歳也。戒定惠の三學ただ名をだにもきかず。総し
J09_0577B23: ていふはかりなきものともの。來迎にあづかるへき
J09_0577B24: 道理をしりなから。わが身のすてられまいらすへき
J09_0577B25: 樣をは。いかにしてか案じ出すへき。ただ極樂のね
J09_0577B26: がはしくもなく。念佛の申されさらん事のみそ。往
J09_0577B27: 生のさはりにては有へけれ。かるかゆへに他力本願
J09_0577B28: ともいひ。超世の悲願ともいふ也
J09_0577B29: 問曰。至誠等の三心を具し候へき樣をは。いかかお
J09_0577B30: もひさため候へき
J09_0577B31: 答。三心を具する事は。たた別の樣なし。阿彌陀ほ
J09_0577B32: とけの本願に。わか名號を稱念せは。かならす來迎
J09_0577B33: せんとおほせられたれは。引接せられまいらせんす
J09_0577B34: るそと。ふかく信して心に念し口に稱するにものう

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