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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0576A01: たてて申す人も候。又心に念してかずをとる人も候
J09_0576A02: いづれかよく候へき
J09_0576A03: 答。それは口にてとなふるも名號。心にて念するも
J09_0576A04: 名號なれは。いづれも往生の業とはなるへし。たた
J09_0576A05: し。佛の本願は。稱名の願なるがゆへに。聲をたて
J09_0576A06: てとなふへき也。このゆへに經には令聲不絶具足十
J09_0576A07: 念ととき。釋には稱我名號下至十聲との給へり。耳
J09_0576A08: にきこゆる程は。高聲念佛にとる也。されはとて機
J09_0576A09: 嫌をしらず。高聲なるへきにはあらす。地躰は聲を
J09_0576A10: 出さんとおもふへき也
J09_0576A11: 問曰。日別の念佛の數遍。相續にいる程は。いかか
J09_0576A12: はからひ候へき
J09_0576A13: 答。善導の御釋によるに。一萬已上は相續にて候へ
J09_0576A14: し。但し一萬遍をもいそき申て。さてその日をくら
J09_0576A15: さん事はあるへからす。一萬遍なりとも。一日一夜
J09_0576A16: の所作とすべき也。總しては一食の間に。三度ばか
J09_0576A17: り思ひいださんは。よき相續にてあるへし。それは
J09_0576B18: 衆生の根性不同なれは。一凖なるべからす。心ざし
J09_0576B19: だにふかけれは自然に相續はせらるる也
J09_0576B20: 問曰。禮讃の深心の中には。十聲一聲必得往生。乃
J09_0576B21: 至一念無有疑心と釋し。又疏の深心の中には念念不
J09_0576B22: 捨者。是名正定之業と釋し給へり。いづれかわが分
J09_0576B23: には。おもひさだめ候へき
J09_0576B24: 答。十聲一聲の釋は。念佛を信ずる樣。念念不捨者
J09_0576B25: の釋は。念佛を行ずる樣也。かるかゆへに信をは一
J09_0576B26: 念にむまるととりて。行をは一形にはけむへしとす
J09_0576B27: すめ給へる釋也。又大意は。一發心已後誓畢此生
J09_0576B28: 無有退轉唯以淨土爲期の釋を。本とすべき也
J09_0576B29: 問曰。本願の一念は。尋常の機にも。臨終の機にも
J09_0576B30: ともに通し候へきか
J09_0576B31: 答。一念の願は。いのちつつまりて。二念にをよは
J09_0576B32: さる機のため也。尋常の機に通ずへくは。上盡一形
J09_0576B33: の釋あるへからす。この釋をもて意うるに。かなら
J09_0576B34: すしも一念を本願といふへからす。念念不捨者。是

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