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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0572A01: えて候は。佛の願を信せす。經の文を信せぬにて候也
J09_0572A02: 稱讃淨土經には。慈悲をもてくはへたすけて心をし
J09_0572A03: てみだらざらしめ給ととかれて候也。ただの時によ
J09_0572A04: くよく申をきたる念佛によりて。佛は來迎し給ふ時
J09_0572A05: に正念に住すと申へきにて候也。たれも佛をたのむ
J09_0572A06: 心はすくなくして。よしなき凡夫の善知識をたのみ。
J09_0572A07: さきの念佛をはむなしくおもひなして。臨終正念を
J09_0572A08: のみいのる事ともにて候が。ゆゆしきひがゐんの事
J09_0572A09: にて候也。これをよくよく御意え候て。つねに御目を
J09_0572A10: ふさぎ掌をあはせて。御心をしづめておほしめすへ
J09_0572A11: く候。ねがはくは阿彌陀佛本願あやまたす。臨終の時
J09_0572A12: かならすわがまへに現して慈悲をもてくはへたすけ
J09_0572A13: て。正念に住せしめ給へと。御心にもおほしめし。口
J09_0572A14: にも申させ給ふへく候。これにすぎたる事候まし。心
J09_0572A15: よはくおほしめす事の候ましき也。加樣に念佛をか
J09_0572A16: きこもりて申候はんなとおもひ候も。ひとへにわが
J09_0572A17: 身一つのためとのみはもとよりおもひ候はす。おり
J09_0572B18: しもこの御事をかくうけ給はり候ぬれは。いまより
J09_0572B19: は一念ものこさず。ことことくその往生の御たすけ
J09_0572B20: になさんとこそ。迴向しまいらせ候はんすれは。かま
J09_0572B21: へてかまへておほしめすさまに。遂させまいらせ候はは
J09_0572B22: やとこそふかく念じまいらせ候へ。もしこの心ざし
J09_0572B23: まことならば。いかてか又御たすけにもならで候へき。
J09_0572B24: たのみおほしめさるへきにて候。をほかたは申いて
J09_0572B25: 候ひし一ことばに。御心をととめさせおはします事も。
J09_0572B26: この世一つの事にて候はじと。さきの世もゆかしく。
J09_0572B27: あはれにこそおもひしらるる事にて候へは。うけ給
J09_0572B28: はるごとくは。このたびま事にさきたたせをはしま
J09_0572B29: すにても。又をもはずにさきたちまいらせ候事にな
J09_0572B30: るさだめなきにて候とも。つゐに一佛淨土にまいり
J09_0572B31: あひまいらせ候はんはうたかひなくおほえ候。ゆめ
J09_0572B32: まほろしのこの世にていま一度なととおもひ候事
J09_0572B33: は。とてもかくても候ひなん。これをは一すぢにお
J09_0572B34: ほしめしすてて。いとともふかくねがふ御心をもま

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