浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0569A01: | れは。ただかまへてかまへておなし佛の國にまいりあひ |
J09_0569A02: | て。はちすの上にて。この世のいふせさをもはるけ。 |
J09_0569A03: | ともに過去の因縁をもかたり。たがひに未來の化導 |
J09_0569A04: | をもたすけん事こそ。返返も詮にて候べきとはしめ |
J09_0569A05: | よりも申をき候しか。返かえすも本願をとりつめまい |
J09_0569A06: | らせて。一念もうたかふ御心なく。一聲も南無阿彌 |
J09_0569A07: | 陀佛と申せは。わが身はたとひいかに罪ふかくとも。 |
J09_0569A08: | 佛の願力によりて。一定往生するぞとおほしめして。 |
J09_0569A09: | よくよく一すぢに念佛し候へき也。われらが往生は |
J09_0569A10: | ゆめゆめわが身のよしあしきにはより候まし。ひと |
J09_0569A11: | へにほとけの御ちからばかりにて候へき也。わがち |
J09_0569A12: | からばかりにては。いかにめてたく貴き人と申すと |
J09_0569A13: | も。末法のこのころ。たたちに淨土にむまるる程の |
J09_0569A14: | 事はありかたくそ候へき。又佛の御ちからにて候は |
J09_0569A15: | んには。いかに罪ふかくをろかにつたなき身なりと |
J09_0569A16: | も。それにはより候まし。ただ佛の願力を信じ信ぜ |
J09_0569A17: | さるにぞより候べき。されば觀無量壽經にとかれて |
J09_0569B18: | 候は。むまれてよりこのかた念佛一遍も申さず。それ |
J09_0569B19: | ならぬ善根もつやつやなくて。あさゆふものころし。 |
J09_0569B20: | ぬすみしかくのこときのもろもろのつみをのみつく |
J09_0569B21: | りて。とし月ををくりゆけとも。一念も懺悔の心もな |
J09_0569B22: | くて。あかしくらしたるものの。をはりの時に。善知 |
J09_0569B23: | 識のすすむるにあひて。ただ一聲南無阿彌陀佛と申 |
J09_0569B24: | したるによりて。五十億劫があひだ。生死にめくるべ |
J09_0569B25: | き罪を滅して。化佛菩薩三尊の來迎にあづかりて。 |
J09_0569B26: | 佛の名をとなふるがゆへに罪滅せり。われきたりて |
J09_0569B27: | なんぢをむかふとほめられまいらせて。すなはちか |
J09_0569B28: | の國に往生すと候。又五逆罪と申て。現身に父をころ |
J09_0569B29: | し。母をころし。惡心をもて佛身をそこなひ。諸宗を |
J09_0569B30: | 破り。かくのことくをもきつみをつくりて。一念懺悔 |
J09_0569B31: | の心もなからんそのつみによりて無間地獄におちて |
J09_0569B32: | おほくの劫をおくりて苦をうくへからん者。をはり |
J09_0569B33: | の時に善知識のすすめによりて。南無阿彌陀佛と十 |
J09_0569B34: | 聲となふるに。一聲にをのをの八十億劫が間生死に |