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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0568A01: して往生するは。これ懺悔念佛のちからなり。この惡
J09_0568A02: 義には混亂すへからす。かれは懺悔の人也。これは邪
J09_0568A03: 見の人也。なをなを不可説の事也。たとひ精進のもの
J09_0568A04: なりといふとも此義をきかはかならす懈怠になりな
J09_0568A05: ん。まれに持戒の人ありといふとも。この説を信せは
J09_0568A06: すなはち無慚になりぬへし。をよそかくのこときの
J09_0568A07: 人は。附佛法の外道也。師子身中のむし也。又うたが
J09_0568A08: ふらくは。天魔破旬のために。その正解をうははれた
J09_0568A09: るともからの。もろもろの往生の人をさまたげんと
J09_0568A10: するか。もともあやしむへし。ふかくをそるへし。こ
J09_0568A11: とことく筆端につくしかたし。あなかしこあなかしこ
J09_0568A12:
J09_0568A13: 正如房へつかはす御文
J09_0568A14: 正如房の御事こそ返かえすあさましく候へ。そののち
J09_0568A15: は心ならすうときやうになりまいらせて。念佛の御
J09_0568A16: 信もいかかとゆかしくおもひまいらせ候つれともさ
J09_0568A17: したる事も候はす。又申へきたよりも候はぬやうに
J09_0568B18: て。思なからなにとなくむなしくまかりすき候つる
J09_0568B19: に。ただれいならぬ御事。大事になどばかりうけ給
J09_0568B20: はり候はんたにも。いま一度見まいらせたく。をは
J09_0568B21: りまての御念佛の事も。おぼつかなくこそおもひま
J09_0568B22: いらせ候へきに。まして御心にかけてつねに御たつ
J09_0568B23: ね候らんこそ。まことにあはれにも。心くるしくも
J09_0568B24: おもひまいらせ候へ。左右なくうけ給はり候ままに
J09_0568B25: まいり候て見まいらせたく候へとも。おもひきりて
J09_0568B26: しばし出ありき候はで。念佛申候ははやと思ひはし
J09_0568B27: めたる事の候を。樣にこそよる事にて候へ。これを
J09_0568B28: は退してもまいるべきにて候に。又思ひ候へは。詮
J09_0568B29: じてはこの世の見參はとてもかくても候なん。屍ね
J09_0568B30: を執ずるまどひにもなり候ひぬへし。たれとてもと
J09_0568B31: まりはつべき身にも候はす。われも人も。ただをく
J09_0568B32: れさきだつかはりめにてこそ候へ。そのたえまを思
J09_0568B33: ひ候も。又いつまでぞとさだめなきうへに。たとひ
J09_0568B34: 久しと申候とも。ゆめまぼろしいく程かは候へきな

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