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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0564A01: このつみによりて。ながく三惡道にしづむなり。かく
J09_0564A02: のことき人は。大地微塵劫をすぐとも。ながく三惡道
J09_0564A03: の身をはなるる事をうへからすといへる也。されは
J09_0564A04: さやうに虚言をたくみて申候らん人をば。かへりて
J09_0564A05: あはれむへきものなり。さほとのものの申さんによ
J09_0564A06: りて。念佛にうたがひをなし。不審ををこさんもの
J09_0564A07: は。いふにたらぬ程の事にてこそは候はめおほかた
J09_0564A08: 彌陀に縁あさく。往生に時いたらぬものは。きけとも
J09_0564A09: 信ぜす。をこなふをみてははらをたて。いかりをふく
J09_0564A10: みて。さまたげんとする事にて候也。その意をえて。
J09_0564A11: いかに人申とも。御心はかりはゆるかせ給ふへから
J09_0564A12: ず。あながちに信ぜさらんは。佛なをちからをよび給
J09_0564A13: ふまじ。いかにいはんや凡夫はちからをよふましき
J09_0564A14: 事也。かかる不信の衆生のために。慈悲ををこし利益
J09_0564A15: せんと思はんにつけても。とく極樂へまいりて。さと
J09_0564A16: りをひらきて。生死にかへりて誹謗不信のものをも
J09_0564A17: わたし。一切衆生をあまねく利益せんと思へき事に
J09_0564B18: て候也。このよしを意えておはしますへし
J09_0564B19: 一一家の人ひとの善根に結縁助成せん事。この條左
J09_0564B20: 右にをよはす。もともしかるへき事に候。念佛の行
J09_0564B21: をさまたくる事をこそ。專修の行には制したる事に
J09_0564B22: て候へ。人人のあるひは堂をつくり佛をつくり。經
J09_0564B23: をもかき僧をも供養せんには。ちからをくはへ縁を
J09_0564B24: むすはんが。念佛をさまたけ。專修をさふる程の事
J09_0564B25: には候ましき也
J09_0564B26: 一念佛申させ給はんには。心をつねにかけて。口に
J09_0564B27: わすれすとなふるがめてたき事にて候也。念佛の行
J09_0564B28: は。もとより行住坐臥時處諸縁をきらはぬ行にて候
J09_0564B29: へは。たとひ身もきたなく。口もきたなくとも。心
J09_0564B30: をきよくしてわすれず申させ給はん事は。返返神妙
J09_0564B31: に候。ひまなくさやうに申させ給はんこそ。返かえす
J09_0564B32: ありかたくめてたく候へ。いかならんところ。いか
J09_0564B33: ならんところ。いかならんときなりとも。わすれず
J09_0564B34: 申させ給はは。往生の業にかならすなり候はんする

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