浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0563A01: | ん。きはめたるひが事にて候。そのゆへは念佛の行 |
J09_0563A02: | は。もとより有智無智にかぎらす。彌陀のむかしち |
J09_0563A03: | かひ給ひし本願も。あまねく一切衆生のため也。無 |
J09_0563A04: | 智のためには念佛を願し。有智のためには餘のふか |
J09_0563A05: | き行を願し給ふ事なし。十方衆生の句に。ひろく有 |
J09_0563A06: | 智無智。有罪無罪。善人惡人。持戒破戒。賢愚男女。 |
J09_0563A07: | もしはほとけの在世の衆生。もしはほとけの滅後の |
J09_0563A08: | このころの衆生。もしは釋迦の末法萬年の後。三寳 |
J09_0563A09: | みなうせてのをはりの衆生まてもみなこもれる也。 |
J09_0563A10: | 又善導和尚彌陀の化身として。專修念佛をすすめ給 |
J09_0563A11: | へるも。ひろく一切衆生のためにすすめて。無智の |
J09_0563A12: | 人にのみかきる事は候はす。ひろき彌陀の本願をた |
J09_0563A13: | のみ。あまねき善導のすすめをひろめんもの。いか |
J09_0563A14: | てか無智の人にかぎりて。有智の人をへだてんや。 |
J09_0563A15: | もししからは彌陀の本願にもそむき。善導の御意に |
J09_0563A16: | もかなふへからす。さればこの邊にまふてきて。 |
J09_0563A17: | 往生のみちをとひたづね候人には。有智無智を論ぜ |
J09_0563B18: | す。みな念佛の行はかりを申候也。しかるに虚言を |
J09_0563B19: | 構へて。さやうに念佛を申ととめんとするものは。 |
J09_0563B20: | さきの世に念佛三昧。淨土の法門をきかず。のちの |
J09_0563B21: | 世に又三惡道にかへるへきものの。さやうの事をは |
J09_0563B22: | たくみ申候事にて候也。そのよし聖敎に見えて候也 |
J09_0563B23: | 見有修行起瞋毒 方便破壞競生怨 |
J09_0563B24: | 如此生盲闡提輩 毀滅頓敎永沉淪 |
J09_0563B25: | 超過大地微塵劫 未可得離三途身 |
J09_0563B26: | と申たる也。この文の意は。淨土をねがひ念佛を行 |
J09_0563B27: | するものを見ては。いかりををこし毒心をふかくし |
J09_0563B28: | て。はかりことをめぐらし。さまさまの方便をなし |
J09_0563B29: | て。念佛の行をやぶり。あらそひてあたをなし。是 |
J09_0563B30: | をととめんとするなり。かくのこときの人は。むま |
J09_0563B31: | れてよりこのかた。佛法の眼しゐて。ほとけのたね |
J09_0563B32: | をうしなへる闡提のともから也。この彌陀の名號を |
J09_0563B33: | となへて。ながき生死をたちまちにきり。常住の極 |
J09_0563B34: | 樂に往生すといふ。頓敎の御法をそしりほろぼして。 |