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J1400 和語灯録 了恵輯緑 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J09_0557A01: にて候へ。ふかき御のりもあしく意うる人にあひぬ
J09_0557A02: れは。かへりてものならすきこへ候ことこそ。あさ
J09_0557A03: ましくおほえ候へ。これをかやうに申候へは。餘行
J09_0557A04: の人ひとははらをたつことにて候へは。御心一つに
J09_0557A05: 意得て。ひろくちらさせ給ましく候。あらぬさとり
J09_0557A06: の人のともかくも申候はん事をは。耳にききいれさ
J09_0557A07: せ給はで。ただ一筋に善導の御すすめにしたがひて。
J09_0557A08: いますこしも。一定往生する念佛の數遍を申そへん
J09_0557A09: とおほしめすへき事にて候也。餘行はたとひ往生の
J09_0557A10: さはりとこそならずとも。不定の往生とはきこえて
J09_0557A11: 候めれは。一定往生の正行を修すべきにて候なり。
J09_0557A12: 正行のいとまを餘行にいれて。不定の往生の業をく
J09_0557A13: はへん事は。且は損にては候はすや。よくよく意え
J09_0557A14: させ給ふへきことにて候也。たたしかく申候へは。
J09_0557A15: 雜行をくわへん人は。ながく往生すまじなと申事に
J09_0557A16: ては候はす。いかさまにも餘行の人なりとも。すべて
J09_0557A17: 人をくだし人をそしる事は。ゆゆしきとがおもき事
J09_0557B18: にて候也。よくよく御つつしみ候て。雜行の人なれ
J09_0557B19: はとて。あなつる御心候ましく候也。よかれあしか
J09_0557B20: れ。人のうへのよしあしをは。おもひいれぬがよき
J09_0557B21: 事にて候也。又心ざし本より此門にありて進みぬへ
J09_0557B22: からんをは。こしらへすすめさせ給ふへく候。さと
J09_0557B23: りたがひてあらぬさまならん人なとに。論じあはせ
J09_0557B24: 給ふ事はあるましき事にて候。よくよくならひしり
J09_0557B25: 給ひたる聖たりだにも。さやうの事をはつつしみて
J09_0557B26: おはしましあひて候そ。まして殿原なとの御身にて
J09_0557B27: は。一定僻事にて候はんするに候。唯御身一つにま
J09_0557B28: つよくよく往生をねがひて。念佛をはげませ給ひて。
J09_0557B29: 位たかき往生をとげて。いそき娑婆に還りて人をは
J09_0557B30: みちびかせ給へ。かやうにくはしくかきつけて申候
J09_0557B31: 事も。返返はばかりおもふ事にて候也。あなかしこ
J09_0557B32: 御披露候まじく候。あなかしこあなかしこ
J09_0557B33: 三月十四日 源空
J09_0557B34: 黑谷上人語證錄卷第十三

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