浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J09_0552A01: | 又釋迦佛。此娑婆世界にいで給ひて。一切衆生のた |
J09_0552A02: | めに。かの彌陀の本願をときて。念佛往生をすすめ |
J09_0552A03: | 給へり。又六方恒沙の諸佛。をのをの廣長の舌をい |
J09_0552A04: | だして。釋迦の念佛して往生すととき給ふは决定也。 |
J09_0552A05: | もろもろの衆生。ふかく信じてすこしもうたがふ心 |
J09_0552A06: | あるへからずと。爾許の佛たちの。一佛ものこらす。 |
J09_0552A07: | 一味同心に證誠し給へり。すでに阿彌陀ほとけは。 |
J09_0552A08: | その願をたて給ふ。釋迦ほとけは。その願のむなし |
J09_0552A09: | からざる事をときすすめ給ふ。六方恒沙の諸佛は。 |
J09_0552A10: | その説の眞實なる事を證誠し給へり。このほかに又 |
J09_0552A11: | いづれの佛の。これらの諸佛にたかひて。凡夫念佛 |
J09_0552A12: | して往生せずとはの給ふへきぞといふことはりをも |
J09_0552A13: | て。おほくのほとけ現しての給ふとも。それにおど |
J09_0552A14: | ろきて。さては念佛往生かなふましきかと。信心をや |
J09_0552A15: | ぶり。疑心ををこすへからす。いはんや菩薩たちのの |
J09_0552A16: | 給はんをや。いはんや羅漢辟支等をやと釋し給ひ |
J09_0552A17: | て候也。いかにいはんや近來の凡夫のいひさまたけ |
J09_0552B18: | んをや。いかにめてたき人と申すとも。善導和尚に |
J09_0552B19: | まさりたてまつりて。往生の道をしりたらんことも |
J09_0552B20: | ありがたく候。又善導はただの凡夫にはあらす。即 |
J09_0552B21: | 阿彌陀佛の化身也。かの佛我本願をひろめて。あま |
J09_0552B22: | ねく一切衆生にしらしめて。决定して往生せさせん |
J09_0552B23: | 料に。かりに凡夫の人とむまれて。善導和尚といは |
J09_0552B24: | れ給ふ也。いはばその敎は。佛説にてこそ候へ。い |
J09_0552B25: | かにいはんや垂迹のかたにても。現身に念佛三昩を |
J09_0552B26: | えて。まのあたり淨土の莊嚴を見。佛にむかひたて |
J09_0552B27: | まつりて。ただちに佛のをしへをうけたまはりて。 |
J09_0552B28: | の給へる詞とも也。本地をおもふにも。垂迹をたずぬ |
J09_0552B29: | るにも。かたくあふひて信すへし。されはたれもたれも |
J09_0552B30: | 煩惱のこきうすきをかへりみず。罪障のかろきおも |
J09_0552B31: | きをも沙汰せず。たた口に南無阿彌陀佛ととなへむ |
J09_0552B32: | こゑにつきて。决定往生のおもひをなすへし。その |
J09_0552B33: | 决定の心をやがて深心とはなづくる也。その深心を |
J09_0552B34: | 具しぬれは。决定して往生する也。詮するところは。 |